2013年3月16日土曜日

「重症精神障害相当」1割 宮城県が入居者健康調査


東日本大震災で被災し、宮城県内10市町のプレハブ仮設住宅で暮らす18歳以上の入居者の約1割が精神的な苦痛が著しい「重症精神障害相当」の状態にあることが15日、宮城県が実施した心の健康調査で分かった。男性より女性の割合が高く、80歳以上の女性は13.0%に上った。意欲低下などの心理的ストレスを抱えている人は約半数に達した。

 六つの質問で心の健康の状態を測る指標(24点満点)を用いた。18歳以上の被災者のうち「心理的ストレス相当」(5点以上)と判定されたのは45.3%。抑うつ状態が続きがちな「気分・不安障害相当」(10点以上)は19.0%、「重症精神障害相当」(13点以上)は9.5%だった。
 いずれもストレスの程度を表す指標で、精神疾患と直接的な関係はないが、震災による喪失体験と不自由な仮設住宅での生活で、被災者が心理的に追い詰められている実態がうかがえる。
 「重症精神障害相当」の割合は女性(10.8%)が男性(8.0%)を上回った。比較的高い世代は、男性が70代の9.8%、80歳以上の11.1%、女性は40代の12.7%など。
 全回答者のうち不眠の症状を訴えたのは15.3%。朝から飲酒をする被災者は1.8%いた。
 県が昨年1~3月、みなし仮設入居者を対象とした同種の調査でも、ほぼ同じ傾向が表れた。県保健福祉総務課の担当者は「精神的なケアを必要とする被災者には、市町の担当者が戸別訪問をするなどして、しっかり対応する」と話している。
 調査は昨年9~12月、石巻、塩釜、気仙沼、名取、岩沼、東松島、亘理、南三陸、大郷、美里各市町の計1万5979世帯を対象に実施。58.6%に当たる9366世帯(2万1450人)が回答した。このうち18歳以上は1万4494人。

2013年03月16日土曜日