2013年4月30日火曜日

「ロタウイルス胃腸炎」調査へ…厚労省


厚生労働省は、乳幼児が重症化しやすい「ロタウイルス胃腸炎」の発生動向調査を今年度から、全国約500か所の医療機関で始める。
 この病気を防ぐワクチンの接種が2011年に国内で開始され、その効果を評価するのが目的だ。
 ロタウイルス胃腸炎は、5歳までにほぼ100%が感染し、下痢や嘔吐(おうと)を繰り返し、脱水症状を起こすこともある。重症化すると意識障害を起こし、まれに死亡する。毎年、約80万人が医療機関を受診し、その1割が入院しているとされている。
 調査は、300床以上の病床があり、小児科や内科の診療を行う医療機関を対象に10月から始める予定。入院した重症患者数を調べて、その推移を見ることでワクチンの効果を評価する。
(2013年4月30日 読売新聞)

コンビニに乳児置き去り 店員に預け立ち去る


30日午前4時半ごろ、福島県白河市中山下のコンビニ「セブン-イレブン白河中山店」で、生後1~2日の女児を抱いた女性が「赤ちゃんが置き去りにされていた」と言って男性店員に預け、立ち去った。
 白河署によると、女児はへその緒が付いており、市内の病院に入院したが命に別条はない。身長約47センチ、体重約2600グラムで、黄色い服を着ていた。預けた女性は20代とみられる。書き置きなどはなかった。
 同署は保護責任者遺棄の疑いで調べ、女性の行方を捜している。

鳥インフル、市場で感染の可能性/国際獣疫事務局と中国合同調査

【上海共同】国際獣疫事務局(OIE)と中国農業省は30日までに、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の現地調査を合同で実施、ウイルスが鳥の飼育場ではなく食材市場で人に感染した可能性が高いとする結果を発表した。

 同型ウイルスの感染者は30日も福建省で1人増え、全体で死者24人を含む計128人となった。中国本土の2市8省と台湾で感染者が判明している。

 調査チームは、4月25日から上海市などを訪問して食用の生きた鳥を扱う市場などを調査。「人に感染する危険性は主に市場にある」と強調した。

高齢粗暴犯急増/県内41人、10年前の8倍

2012年中に、刑法犯で摘発された香川県内の65歳以上の高齢者のうち、暴行や傷害などの粗暴犯は41人に上り、10年前の02年(5人)から約8倍に増えたことが香川県警刑事企画課のまとめで分かった。高齢者の粗暴犯の急増ぶりが目立つことから、香川県警は各機関と連携するなどして対策を検討する方針。

 まとめによると、高齢者の刑法犯摘発者数は前年比11・0%増の525人で2年ぶりに増加。粗暴犯の摘発者数は03年以降は2桁となり、ここ5年間は20人以上が続いていた。12年の刑法犯に占める粗暴犯の割合は7・8%と、02年(1・7%)や03年(2・7%)に比べて大幅に上昇している。

 12年の粗暴犯の内訳をみると、暴行が20人で最も多く、次いで傷害が16人、脅迫4人、恐喝1人。暴行は前年比2人増、傷害は前年の3倍に増えており、それぞれ過去10年間で最多。傷害で摘発された6割は70歳以上だった。

 同課によると、近年は夫婦間のドメスティックバイオレンス(DV)や男女関係のトラブルなどが目立つという。

 12年中の主な事件では、女性をめぐるもめ事から男がモデルガンで知人男性の頭を殴るなどした事案や、妻とささいなことで口論となった夫が、ひざげりするなどしてろっ骨を折ったり、木製バットで殴ったりして妻にけがを負わせたケースなどがあった。

 暴行や傷害にとどまらず殺人にまで到ったのは2件。このうち1件は、老人ホームで80代の男が同じ入所者の男女2人を殺傷したとされる。

 同課は「感情を抑えられずに暴行や傷害事件を起こす高齢者が増えており、家族や社会全体で検討すべき課題として対策を考えていきたい」としている。

看護女子学生の喫煙率18% 一般女性より高い傾向


全国の看護学校に在籍する女子学生の喫煙率が20歳以上で18・6%に上り、20代と30代では同世代の一般女性よりも高いことが30日、分かった。
 20~30代は半数以上が医療機関などで働きながら通学しており、調査した日本医師会総合政策研究機構は「仕事と学校の両立がストレスとなり、喫煙率を押し上げた可能性がある」と分析。喫煙率が高い学校に禁煙指導の強化を促している。
 調査は昨年11月、全国の医師会が運営する273の看護学校に通う学生3万3067人を対象に実施し、3万1124人から回答があった。性別では8割が女性。年代別は20代と30代が全体の7割余りを占める。

福島 県の産業復興再生計画まとる


福島の復興を推進する「福島復興再生特別措置法」に基づいて、法律上の優遇措置を受ける対象事業などを盛り込んだ、福島県の産業復興計画がまとまり、30日、国に提出されました。
「福島復興再生特別措置法」は、東日本大震災と原発事故の被害を受けた、福島県の復興を推進するための優遇措置などを盛り込んだ法律で、去年3月に成立し、今年3月に改正されて対象が拡大されました。
県は、税制上の優遇措置などを受ける対象事業などを盛り込んだ「産業復興再生計画」をまとめ、村田副知事が福島市内にある復興庁の事務所で、亀岡偉民政務官に計画書を手渡しました。
計画では、原発事故の風評被害で価格が落ち込んだ農作物のブランド化を図るため、南会津特産の「南郷トマト」や「会津田島アスパラガス」などの商標登録を行うことや、外国人の観光客を呼び戻すために、放射線に関する知識も習得した「通訳案内士」を育成することなどが、盛り込まれています。亀岡政務官は「福島の産業再生のため、計画をいち早く精査し、承認できるよう努力したい」と述べました。
計画が承認されれば、特措法に基づいて、商標登録の手数料や通訳案内士の試験が免除されるなど、さまざまな優遇措置を受けることができるということで、復興の後押しになると期待されています。
04月30日 19時33分

原発事故で被害者への説明会


東京電力福島第一原発の事故の被害者などで作る全国組織が東京電力に求めてきた被害者への説明会が30日、初めて福島県二本松市で開かれました。
この組織は、損害賠償などを求めて集団で東京電力と協議してきた「全国公害被害者総行動実行委員会」で、開催を求めてきた東京電力の考えを問う説明会が30日、初めて開かれました。
二本松市の会場には、東京電力側の18人をはじめ、合わせて250人が集まりました。
参加者たちは、現状の賠償基準では被害者側の要求を満たすものではなく、被害者側の立場に立ったものに見直すことや、県内すべての原発を廃炉にすることを決めない理由について、質問をしていきました。
これに対して東京電力側は、賠償基準については、国の紛争審査会が定める中間指針に沿って話し合いを進めていることなどを説明していました。
この全国組織のメンバーの1人の馬奈木厳太郎弁護士は、「東京電力に対して直接意見を述べられた被害者もいたことは大きな意義があった。今後も県内各地で説明会を開き、問題解決を図っていきたい」と話しています。

ハリセン春菜 急性腸炎で入院…医師の許可出るまで休業

27日夜に下痢、高熱、嘔吐(おうと)などの症状を訴え仕事を休んでいたハリセンボンの近藤春菜(30)が、28日夜に都内の病院に入院していたことが29日、わかった。

 病名は「急性腸炎」で「数日間の安静加療が必要」と診断されたという。体調が回復し、医師からの復帰許可が出るまでは仕事を休む予定で、その間は相方の箕輪はるか(33)らが代役を務める。28日は関西での舞台とイベントを、29日はフジテレビ「ノンストップ」の生放送を欠席。箕輪が代わりに出演し、近藤の病状を説明した。

抗がん剤の有力候補発見=「全患者の2割に効果も」―神戸大

膵臓(すいぞう)がんなど、多くのがんの原因になるたんぱく質の働きを抑える可能性がある物質を突き止めたと、神戸大大学院の片岡徹教授らの研究グループが29日発表した。片岡教授は「研究が進めば、全てのがん患者の2割に有効な抗がん剤の開発につながる可能性がある」と話している。論文は米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
 研究グループによると、「Ras」と呼ばれるたんぱく質は、大腸がん患者で40~50%、膵臓がん患者で60~90%、全がん患者では約2割で活性化し、重要ながんの原因物質の一つとされる。
 抗がん剤は、がんを起こすたんぱく質表面の「ポケット」と呼ばれる構造と結合し、がん細胞の増殖を抑える。グループは2005年にRasのポケットを発見。今回、約4万種類の化合物を解析したところ、三つの物質がそれぞれRasのポケットに結合することを発見し、「Kobe(神戸)ファミリー化合物」と命名した。
 マウスにヒトの大腸がん細胞を移植し、Kobeファミリーを投与したところ、がん細胞は投与しなかったマウスの約半分に縮小した。Kobeファミリーはいずれも有機化合物で生産も難しくなく、薬剤に応用しやすいと片岡教授らはみている。 

2013年4月29日月曜日

札幌の女子高生が町内会役員に 会員高齢化で若返り策


北星学園大学付属高2年の飯島優佳さん(17)が28日、札幌市清田区の北野まきば町内会の役員に就任した。道内の町内会役員は中高年が大半で、10代がなるのは異例。飯島さんは新しい交流イベントも計画、「みんなが笑って暮らせる町にしたい」と張り切っている。
 札幌市郊外の住宅街にある北野まきば町内会は、会員817人のうち65歳以上が268人で高齢化率は32・8%。全道平均より7・1ポイント高い。役員の平均年齢も58歳で、さらに高齢化すれば運営に支障が出かねず、近藤裕一郎会長(63)が若返り策として、幼いころから行事に熱心に参加していた飯島さんに就任を依頼した。<北海道新聞4月29日朝刊掲載>

震災に負けない野生生物展示会


震災や原発事故の影響を受けながらも懸命に営みを続ける野生の動植物を紹介する展示会が南相馬市で開かれています。

南相馬市博物館で開かれている展示会には、県内に生息する野生の動植物の写真や標本などおよそ200点が展示されています。
このうち原発事故のあと作付けができなくなった水田の様子を記録したコーナーでは、乾燥した水田で姿をみることが少なくなったカエルやヘビなどの写真が紹介されています。
また、津波のあと海辺で生息が確認された絶滅危惧種の「カワラハンミョウ」の標本からは、苦境にたたされても懸命に生きようとする生き物たちの強さが伝わってきます。
会場には震災前の福島の豊かな自然を取り戻す活動を紹介するコーナーも設けられていて、生き物の生息状況の調査など地道な活動を続ける人たちの姿を伝えています。展示会に訪れた南相馬市の男性は、「福島の自然のありがたさをあらためて感じました。人間が引き起こした問題を何とか解決しなければいけないと思います」と話していました。
この展示会は、6月16日まで南相馬市博物館で開かれています。
04月29日 13時00分

乳幼児内部被ばく検査機器導入へ


体内に取り込んだ放射性物質の量を調べる内部被ばく検査について、東京大学の研究者がアメリカの測定機器メーカーとともに、乳幼児向けの測定装置の開発を進め、ことしの秋ごろには県内の病院に導入されることになりました。
内部被ばくを検査する「ホールボディーカウンター」は主に成人向けに開発されたため、身長の低い乳幼児では検査の精度が落ち、医療機関によっては乳幼児が検査を受けられないところもありました。こうした状況を受けて、東京大学の研究者がアメリカの放射線測定機器メーカーなどに協力を求めて新たに乳幼児向けの検査装置を開発することになりました。
新たに開発される装置は乳幼児が数分間じっとしていられるように寝そべった状態で測定ができるということです。
また、放射性物質を検知する検出器の数を倍に増やし、これまでより少ない量の放射性物質でも検出できるようになります。
乳幼児向けの検査装置は、ことしの秋ごろには平田村の「ひらた中央病院」に導入される予定で、無料で検査を受けられるということです。
装置の開発に携わっている東京大学の早野龍五教授は、「乳幼児の検査を希望する保護者が多くいたにもかかわらずこれまで検査がされてこなかった。ひとりでも多くの人に継続的に検査を受けていってもらいたい」と話しています。
04月29日 13時00分

若年性認知症のハンドブック


65歳未満で発症する若年性認知症の患者や家族を支援しようと、厚生労働省は、症状の特徴や家族の対応の注意点、それに治療しながら働くための制度などを紹介したハンドブックを初めて作りました。
このハンドブックは、全国の自治体や医療機関などを通じて患者や家族に配布されるほか、作成に当たった認知症介護研究・研修大府センターのホームページにも掲載されています。
アドレスは、http://www.dcnet.gr.jp/center/obu/です。
若年性認知症は65歳未満で発症する認知症で、患者は全国でおよそ3万7000人と推計され、3割は50歳未満で発症しています。
働き盛りの世代は、認知症を疑わずに診断が遅れ、患者や家族が戸惑うケースが多いことなどから、厚生労働省は、患者や家族を支援しようとハンドブックを初めて作りました。
この中では、若年性認知症で最も多い、脳卒中が原因で起こる「血管性認知症」や、「アルツハイマー病」など4種類の病気について、症状の特徴や家族の対応の注意点などを具体的な事例を交えて紹介しています。
また、若年性認知症と診断された際の相談窓口や雇用、年金、介護などの支援制度、それに車の運転など日常生活の注意点などについてまとめています。

福岡 小学校で集団食中毒か


福岡市早良区の小学校に通う児童148人が、おう吐や発熱などの症状を訴え、福岡市は学校の給食が原因の集団食中毒ではないかとみて調べています。
福岡市によりますと、28日正午ごろ、市内の医療機関から早良区にある市立室見小学校の1年生から6年生までの児童16人が、おう吐や下痢、発熱などの症状を訴え、受診したと連絡が入りました。
これを受けて、室見小学校が全校児童700人余りの保護者に電話などで聞き取りを行ったところ、16人を含む合わせて148人の児童が同じような症状を訴えていることが分かりました。
いずれの児童も現在は快方に向かっているということです。
児童が症状を訴え始めたのは、27日の午後10時ごろからで、福岡市は学校の給食が原因の集団食中毒ではないかとみて、先週の給食に使われた食材などを詳しく調べています。

「風評を払拭」 第51代ミスピーチ12人決まる


福島の果物と観光をPRする「ミスピーチキャンペーンクルー」の選考会は27日、福島市のこむこむで開かれ、第51代クルー12人が決まった。
 県くだもの消費拡大委員会(委員長・瀬戸孝則福島市長)の主催。88人の応募があり、1次選考を通過した22人が一般公開の2次選考に臨んだ。「福島の果物と福島に誇りを持ち、明るく元気で熱意があること」などを選考基準に自己PR、質疑応答で12人が選ばれた。
 新クルーは5月27日に委嘱状を受け、デビューする。6月1、2の両日に福島市で開かれる東北六魂祭をはじめ、全国各地の市場や量販店、イベントなどで福島の魅力をアピールする。
 会津若松市のモデル渡部沙也加さん(24)は「県内の農家のため東京電力福島第一原発事故による風評を少しでも払拭(ふっしょく)したい」と話した。
 渡部さんを除くクルーは次の通り。
 ▽斎藤愛美(26)=福島市、アルバイト▽土屋麻美子(20)=福島市、大学生▽清野真矢(20)=福島市、アルバイト▽植木安里紗(23)=郡山市、モデル▽堀江結佳(21)=福島市、専門学校生▽阿部由佳(20)=福島市、アルバイト▽中野沙妃(21)=郡山市、大学生▽渡辺愛梨(20)=福島市、大学生▽富田夕子(21)=福島市、大学生▽佐藤久恵(25)=福島市、臨時職員▽高橋藍子(21)=福島市、大学生
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田んぼでどろんこ宝探し


神奈川県藤沢市で田んぼに隠された宝物を探し当てる「どろんこまつり」が開かれ、多くの子どもたちがどろんこになって宝探しを楽しみました。
この催しは、藤沢市が、日ごろ自然と接する機会の少ない子どもたちに野外で楽しんでもらおうと、毎年、野外活動施設の体験用の田んぼで開いていて、家族連れなどおよそ900人が訪れました。
半ズボンや水着で参加した子どもたちは、最初は「冷たい」などと言いながら恐る恐る田んぼに入りましたが、次第に夢中になり、腹ばいになっておもちゃや駄菓子に交換できるフィルムケースを探していました。
また、フィルムケースをもったスタッフ目がけて田んぼの中をかけっこするレースも行われ、子どもたちはどろんこになって楽しんでいました。
参加した小学生の母親は「普段はできない事なので思う存分、どろんこを楽しんでもらいたい」と話していました。
横浜市から来た12歳の女子中学生は「ずっと腹ばいで探してやっととれました」とうれしそうに賞品のおもちゃのトンカチを握りしめていました。
04月28日 18時45分

災害用の医薬品を薬局に備蓄


横浜市は災害用に備蓄している医薬品が使われないまま期限切れで無駄になるのを防ごうと、市内の薬局に備蓄を依頼する新たな仕組みを作りました。
横浜市は災害時に使う消毒剤や止血剤といったおよそ4万5000人分の医薬品をこれまで地域医療救護拠点に指定している市内146か所の小中学校で備蓄してきました。
しかし、中には3年ほどで期限が切れるなど、無駄になってしまうものが多いとして、市内の薬剤師会に協力を求め、90の薬局に医薬品の備蓄を依頼することにしました。
災害が起きた際、薬局の薬剤師が避難所など医薬品を必要としている場所に届けるということで、横浜市は年間およそ1200万円の経費削減が見込めるとしています。一方、災害時の医師や看護師の派遣をめぐり、横浜市は東日本大震災の経験をもとに専門的な助言にあたる災害医療アドバイザーとして、市内の救命救急センターと医師会の6人の医師と委託契約を結びました。
横浜市は「医師会や薬剤師会との連携を深め、災害発生時の医療態勢の効率化をはかっていきたい」としています。
04月28日 12時29分

医療関連企業 ロシアへの進出相次ぐ


日本の製薬会社や医療機器メーカーは、経済成長に伴って医薬品の需要が増えているロシアでの薬などの生産や販売に、相次いで乗り出しています。
このうち製薬最大手の「武田薬品工業」は去年、ロシア西部のヤロスラブリにおよそ100億円をかけて工場を建設しました。
工場では現在、本格的な生産に向けた準備を進めており、来年から脳梗塞や心筋梗塞などの薬を生産する計画です。
また、製薬大手の「エーザイ」は今月、モスクワに現地法人を設立し、抗がん剤やてんかんの治療薬の販売に乗り出すことにしているほか、医療機器大手の「テルモ」も現地法人を設けて、心臓や血管の治療に使うカテーテルなどの販売を本格化させる方針です。
ロシアでは経済成長に伴って医薬品の需要が増えているうえ、ロシア政府も健康保険制度の充実などを進めていることから、各社は今後3年で医薬品の市場は30%以上増え、医療機器の市場も倍近くに拡大するとみています。
ロシアにはトヨタ自動車やマツダなどの自動車メーカーが相次いで生産の拠点を設けていますが、今後、医薬品や医療機器の分野でも日本企業の進出がさらに進みそうです。

中高年ライダーの事故急増=プロテクター着用呼び掛け―警察当局

オートバイに乗る人のうち、中高年層の死者が急増している。昨年は40~64歳の181人が死亡し、10年前よりも5割増加した。若い頃にバイクに乗っていた中高年層が、再び乗り始める「リターンライダー」の増加が背景にあるとみられ、警察当局は、事故に遭った際に胴体を守るプロテクターの普及などに力を入れている。
 警察庁の統計によると、昨年のバイク乗車中の事故死者は460人で、このうち40代が107人、50代54人、60~64歳が20人だった。10年前の2002年は、40代が66人、50代36人、60~64歳14人で、それぞれの世代で4~6割増えている。
 同庁はリターンライダーの増加が要因とみており、日本自動車工業会の調査でも、03年度に39.9歳だったライダーの平均年齢は11年度は48.5歳に上がっている。
 ハンドルやブレーキ操作を誤った単独事故が多いといい、同庁の担当者は「若い頃の感覚を十分に取り戻せず、操作ミスにつながることもある」と指摘。「慢心せず、自分に合った運転を」と呼び掛ける。
 一方、警視庁の調査によると、過去3年間のバイク事故で、胸や腹のけがが致命傷になったケースは約36パーセントを占め、頭部の49パーセントに次いで多かった。しかし、着用が義務付けられたヘルメットに比べ、プロテクターの着用率は6.5パーセントにとどまっている。 

2013年4月28日日曜日

会津医療センターで内覧会 高度な専門医療を提供 地元民間病院と連携


県立の会津総合、喜多方両病院を統合し、福島医大の付属施設として設けられる会津医療センターは5月11日、会津若松市河東町谷沢に開所する。県内初となる漢方内科や、地元から要望の強い血液内科など22の診療科を備える。民間病院と連携して診察の態勢を整え、会津地方全体の医療の質向上を目指す。27日に内覧会が開かれ、医療関係者や住民が院内を見学した。

■診療
 「会津地方の住民が待ち望んでいた診療科ができる。恩恵を受ける患者は多いはずだ」。内覧会に参加した会津若松市の医療機関勤務の男性(59)は声を弾ませた。
 漢方内科は会津地方の歴史にちなんで設ける。漢方薬の原料となる朝鮮ニンジンは江戸時代、会津若松市内の御薬園で栽培され、市内などで生産が続く。同科は、さまざまな病気の患者を受け入れ、地元産の朝鮮ニンジンで作った漢方薬を処方するなどして治療に当たる。将来的には、はり・きゅうを導入する考えだ。
 会津地方は長く、白血病や悪性リンパ腫など血液の疾患の専門医が不在だった。患者は福島、郡山両市の医療機関に通院するケースが多く、血液内科が診察を開始すれば遠出する必要がなくなる。
 小腸・大腸・肛門科、整形外科・脊椎外科、糖尿病・代謝・腎臓内科など専門性の高い診療科も開設される。
 医療機器の充実も図る。会津地方は全国平均に比べて消化器系がん、呼吸器系と循環器系の疾患による死亡率が高いとされることから、最新型の内視鏡や超音波機器を備える。

■交換
 会津医療センターは、地域周産期母子医療センターに指定されている竹田綜合、重症患者に対処する3次救急医療を担う会津中央の会津若松市内の二つの民間病院と連携を深める方針だ。
 地域の医療態勢をともに検討する案もある。医師が地域内で分散することを避ける狙いからだ。それぞれが得意とする診療分野に患者を紹介し合い、機器の貸し借りも視野に入れている。
 会津若松医師会の加藤道義会長(68)は「医師の間で積極的に情報交換できれば、さまざまな症例の患者に対処でき、地域完結型医療が実現されるはず」と展望する。

■支援
 会津総合と喜多方合わせて17人だった常勤医師は、会津医療センターでは3倍近い45人程度に増える。へき地医療の支援が手厚くなると期待される。
 会津地方の医師数は人口10万人当たり159・6人で、県平均に比べ23・6人、全国平均より53・3人少ない。
 宮下、南会津の両県立病院などへの派遣数は現在、1カ月当たり延べ5、60人で、増員が検討される見込みだ。
 医師不足は全国で深刻なままで、医療過疎が改善される見通しは立っていない。関係者は会津医療センターの開所を待ち望んでいる。
(  カテゴリー:主要 )

学童保育の障害児 10年で約3倍に


学童保育に通っている障害がある子どもの数がこの10年でおよそ3倍に増えていることが、民間団体の調査で分かりました。
この調査は、全国学童保育連絡協議会が去年4月から7月にかけて、全国の区市町村を対象に行いました。
それによりますと、障害がある子どもを受け入れている学童保育は8913か所で、10年前の調査に比べて2.5倍に増え、通っている子どもの数もおよそ3倍の1万9639人となりました。
調査をした全国学童保育連絡協議会では、発達障害と診断される子どもが増えていることや、経済状況が厳しくなるなか、障害がある子どもを学童保育に預けて働きたいと考える母親が増えていることが影響していると分析しています。一方、障害がある子どもを受け入れるため、国から出る人件費の補助金は年間およそ160万円で、子どもが1人でも複数でも同じ金額のため、希望者が多くなると受け入れができないケースが出てきているということです。
横浜市の民間の学童保育所でも、障害がある9人の子どもが通っていて、国の補助金だけでは必要とされる5人の指導員を確保できず、横浜市の補助金や学童保育を運営している団体が資金を出してなんとかやりくりしています。
保育所の中山光枝さんは「障害がある子どもの親が学童保育所に通わせたいというニーズはどんどん増えている。指導員をどう確保するかが大きな課題です」と話しています。
また全国学童保育連絡協議会の真田祐事務局次長は、「人件費が足りないため指導員を確保できず、障害がある子どもの受け入れを制限しているところもある。人数に応じて補助金を増やすなど対応を検討してほしい」と話しています。

掘り出し物、笑顔 アクアマリンふくしまで3年ぶり潮干狩り


大型連休が始まった27日、福島県いわき市の水族館アクアマリンふくしまで、東日本大震災の津波で損壊した人工砂浜「蛇の目ビーチ」が復活した。再現された磯や干潟で、多くの家族連れが3年ぶりの潮干狩りを楽しんだ。
 晴天の下、来館者は膝まで水に漬かり、素手で砂の中から大きなアサリやハマグリを次々と掘り出した。
 宮城県亘理町から家族で訪れた小学4年渡辺美咲希さん(9)は「水は冷たかったけど、いっぱい採れた。アサリ汁が楽しみ」と喜んだ。
 広さ約4500平方メートルのビーチは、ヒトデやナマコなど身近な海の生き物を展示し、触れ合うことができる。
 震災の津波と地盤沈下で使えなくなったが、波を起こす装置や潮の満ち引きを再現する機械の修復を進めながら再開にこぎ着けた。連休中の潮干狩りは29日まで。

2013年04月28日日曜日

川内村に野菜工場がオープン


原発事故で避難した住民の帰還に取り組んでいる福島県川内村に、雇用の場を増やそうと、放射性物質の影響を受けない水耕栽培の野菜工場がオープンしました。
村は去年4月、元の場所で役場の業務を再開し、原発事故で避難した住民の帰還に取り組んでいますが、1年たった今も、戻ったのは4割の、およそ1200人にとどまっています。
このため村は、住民の雇用の場を増やすことに力を入れていて、26日、水耕栽培の野菜工場が新たにオープンしました。
記念のセレモニーで遠藤雄幸村長は、「未来の農業の形を提案するとともに、日本全国、そして世界に、安心で安全な川内の野菜を届けたい」と挨拶しました。
水耕栽培の工場は、土を一切使わず外気も取り込まないため、放射性物質の影響を受けずに、1年を通して野菜を作ることができるということです。
また、野菜を切らずに放射性物質の検査ができる装置も備えられています。
この工場では、25人程度を雇用する計画ですが、勤めているのはまだ6人で、今後、特に、働き盛りの若い世代をいかに村に呼び戻すかが、課題になっています。
遠藤村長は、「新たな分野の仕事に就きたいという人もいるので、職種を増やしていくことも重要だ。戻った人や村外の人にもぜひ手を挙げてほしい」と話していました。
04月26日 19時54分

乳幼児被曝、測定器開発へ


東京大学と放射能計測器メーカー「キャンベラジャパン」(東京)などは26日、県庁で記者会見を開き、乳幼児専用の内部被曝(ひばく)線量を測るホールボディーカウンター(WBC)を共同で開発すると発表した。市販されているWBCは大人向けで、体の小さい乳幼児を測ると、誤差が大きくなることが課題だった。今年9月にも、ひらた中央病院(平田村)で検査を開始する考えだ。
 WBCは、体内から放出される放射線を検出器で感知し、内部被曝線量を計測する仕組み。立ったままや椅子に座った状態、寝た状態と、装置によって検査を受ける体勢が異なる。
 市販されているWBCはいずれも検出器の位置が大人用に設計され、対象は原則、身長80センチ以上(4歳以上)に限られている。それより小さな子供が受ける場合は踏み台などを使うが、測定誤差が通常よりも大きくなるという。乳幼児を持つ保護者から「正確に測ってほしい」という声が相次いで寄せられ、東大などが開発に乗り出した。
 乳幼児専用WBCは寝た状態のまま計測する方式で、新生児も測ることができるように設計する。小さな体格に合わせて検出器の数を増やし、精度を高める。計測中、1人で密閉された空間に数分間とどまる必要があるため、工業デザイナーの山中俊治・東大教授らが協力し、子供たちが不安にならずに受けられるようなデザインを考えるという。
 海外では過去に子供用WBCが作られたが、測定誤差が大きいため、普及していないという。早野龍五・東大教授は記者会見で、「子供たちの内部被曝をきちんと測れる体制が整うことで、住民の不安解消や県内への帰還につながれば」と語った。
 乳幼児専用WBCは完成後、公益財団法人「震災復興支援放射能対策研究所」(平田村)に納入される。同財団が検査を無料で受け付け、委託先のひらた中央病院が行う。
(2013年4月27日  読売新聞)

2013年4月27日土曜日

環境副大臣原発対応で海外視察


除染作業や放射性物質の住民への影響を調べる健康調査が遅れていることなどから、環境省の井上副大臣は、旧ソビエトのチェルノブイリ原発や、プルトニウムを製造していたアメリカの施設を視察し、より効果的な福島県への支援策を検討することになりました。
原発事故から2年あまりが過ぎましたが、県では除染作業が十分に進んでいなません。
また、全ての住民を対象に放射性物質の影響を調べる健康調査についても、進捗が遅れている上長期間におよぶことから、国の継続的な支援の必要性が指摘されています。
こうした状況を受けて環境省の井上副大臣は、26日から旧ソビエトのチェルノブイリ原発やアメリカの核施設を視察することになりました。
チェルノブイリ原発では、政府関係者や医療機関の担当者と、住民の健康管理や支援策について意見を交わすほか、プルトニウムを製造していたアメリカ・ワシントン州のハンフォード核施設では、放射線量が高い場所の除染作業を視察する予定です。
井上副大臣らは来月3日までの日程で視察を行い、現地で最新の技術や住民への対応の難しさなどの経験を聞き取り、より効果的な福島県への支援策を検討したいとしています。
04月26日 13時17分

遺伝病起こす遺伝子異常、長崎大准教授ら発見


長崎大原爆後障害医療研究所の荻朋男准教授(39)(分子生物学)らの研究グループは25日、白血病や皮膚がんなどを引き起こす三つの遺伝病の原因となる遺伝子異常を発見したと発表した。
 新しい抗がん剤の開発などにつながる可能性があるという。
 発表によると、荻准教授らは早期老化や皮膚がん、白血病などを発症する3種の遺伝病を併発した欧州の女児の遺伝子を解析。遺伝病の原因が、本来DNA損傷を修復する働きを持つ「ERCC1―XPF」と呼ばれる遺伝子の異常にあることがわかった。
 さらに、同遺伝子の異常がある細胞に抗がん剤の一種を投与したところ、通常より多くの細胞が死滅。同遺伝子に異常があると、抗がん剤が効き過ぎて、大きな副作用をもたらすことも判明した。
(2013年4月26日 読売新聞)

脳が血糖値をコントロールする


視床下部が血糖調節機構を活性化する

血糖値をコントロールするには運度、食事、そして膵臓のβ細胞から分泌するインスリンが重要だが、近年の研究で脳の視床下部が血糖の利用を調節することがわかっている。脂肪萎縮症の糖尿病の場合、脳に作用するレプチンが投与される。生理学研究所はこれまで不明だったレプチンのメカニズムを解明した。
脂肪萎縮症は脂肪組織が先天的または後天的に萎縮する疾患で、重度の糖尿病を発症してインスリンが効かないケースがある。タンパク質ホルモンのレプチンは脂肪細胞から生じ、血液を介して脳に作用する。脂肪萎縮症の糖尿病に投薬すると症状が改善されるが、その働きはわからなかった。
研究グループはレプチンが発見される以前から、骨格筋が糖を利用する際に視床下部が糖の利用を調節することを報告していた。レプチン発見後には、レプチンと視床下部に存在する神経ペプチドが血糖調節機構を活性化し、骨格筋の糖利用を促進して糖尿病を防止することを突きとめていた。

レプチンが糖代謝を調節する

今回の研究では、骨格筋と肝臓における糖代謝を視床下部のレプチンが調節するメカニズムを発見した。レプチンの糖代謝調節機構を解析したところ、視床下部腹内側核(VMH)ニューロンに作用して、タンパク質のERK1/2とSTAT3を活性化する。これらのタンパク質がそれぞれに骨格筋と肝臓でのインスリンによる糖代謝調節作用を高めていた。レプチンはタンパク質を介してVMHにおけるシナプス可塑性を変化させて骨格筋、肝臓の糖代謝を制御すると考えられる。
糖尿病で亡くなる人が年間1万4千人、糖尿病予備軍(強く疑われる人と可能性のある人)は2210万人という。視床下部を介する血糖調節機構はインスリンとは異なる分子機構による。そのメカニズムの解明で新たな治療薬の開発が期待できる。(馬野鈴草)
▼外部リンク
生理学研究所
http://www.nips.ac.jp/

奮闘する外国人介護福祉士


インドネシアやフィリピンとのEPA・経済連携協定により、全国各地の施設で5年前から看護・介護の分野で日本の国家資格の取得を希望する外国人を受け入れています。
こうした外国人のうち、ことし、茨城県では初めて3人が介護福祉士の試験に合格しました。
そのひとりが、インドネシア出身のマスナワティさんです。
介護福祉士としてひとりだちしようと奮闘する姿を取材しました。
04月26日 19時29分

2013年4月23日火曜日

里帰り出産数が回復の兆し


里帰り出産数が回復の兆し
福島県内で子どもを産む人の数は、原発事故の前に比べて、依然として低い水準が続いていますが、ふるさとに戻ってきて子どもを産む、いわゆる「里帰り出産」の数が、去年の夏ごろから少しずつ増え始めていることが県産婦人科医会の調査で分かりました。
県産婦人科医会は、県内で分娩を扱う病院や診療所を対象に、原発事故後の出産の状況について調査を行い、22の施設から回答を得ました。
その結果、これらの施設での里帰り出産の数は、原発事故の前はあわせて月に200件程度でしたが、事故後、減少が続き、一時は月に50件程度にまで落ち込んでいました。
しかし、去年の夏ごろからは増加に転じ、去年の秋までに月に90件程度にまで戻り、予約の状況などから、その後も少しずつ増え続ける見込みだということです。
県産婦人科医会では、放射線に対する不安が徐々に減り、親元で安心して出産をしたいと希望する妊婦が増えてきているのではないかとみています。
一方で、これらの施設で扱った出産の総数は、避難先で子どもを産む人が依然として多いことから、原発事故の前の水準を大きく下回る状態が続いているということです。
県産婦人科医会の幡研一会長は、「里帰り出産が戻り始めたことで、少し明るい兆しもみえてきている。しかし、全体の出産数が減っている現状で、早く安心して出産できるような環境を作っていかなければならない」と話しています。
04月23日 09時44分

福島の人口、震災後7万5000人減

2013.4.23 02:01
 県の人口が東日本大震災の直前に比べ、約7万5000人も減少していることが22日、県統計課の人口動態調査で分かった。平成25年4月1日現在の県人口は194万9595人で、昭和50年ごろの水準まで落ち込んだ。同課によると、震災の直前(23年3月1日現在)に比べると3.7%の減。転入・転出に伴う社会動態による減少が全体の約7割を占めており、中でも15歳から20代前半までの若年層の県外移住が目立つ。
 震災後、人口減少は県内全域で歯止めがかからず、中でも福島第1原発に近い「相双管内」(南相馬市など計12市町村)では震災前に比べて7.47%に当たる1万4598人が減少。原発から20キロ圏内の南相馬市では同9.05%減と深刻だった。

2013年4月22日月曜日

受診、市町村に格差 ホールボディー検査 県、実態把握できず 待機者解消策必要


東京電力福島第一原発事故に伴うホールボディーカウンター(WBC)による内部被ばく検査で、市町村間で受診格差が広がっている。住民の受診が2巡目を迎える市町村がある一方、検査まで依然、数年待ちの所も。県は県内の正確な受診実態を把握できておらず、広域的な調整による待機者の解消に向けた具体策を示せないのが現状だ。県民からは早急な対策を求める声が上がっている。

■検査待ち
 WBCによる内部被ばく検査は、県以外に南相馬市や郡山市、いわき市など20市町村が独自に実施している。
 県内で最初にWBC検査を開始した南相馬市は既に延べ約1万人以上が受診した。一時は9000人ほどいた待機者は今はゼロ。希望すれば早く受診できる。浪江町も昨年中に18歳以下の子ども約3700人を対象にした1巡目の検査はおおむね終了し、夏をめどに妊婦を含め、2巡目の案内を出す計画だ。
 一方、人口の多い都市部では検査が追い付かないのが現状だ。全市民約32万人を対象としている郡山市は、受診者が約4万人と全体の1割程度。市は全市民の検査を終了するのに平成27年度までかかると見ている。いわき市は原発事故当時、18歳以下と妊婦の合わせて約6万4000人を優先的に実施しているが、検査を終えたのは約4万1000人で、約6割にとどまっている。成人を含めた検査終了時期は見通せていない。
 田村市は市内東部の避難区域の住民を優先に検査し、現在は市内全域に対象を拡大している。ただ、最も遅い地域の住民は26年夏ごろまで待たなければならない。市内大越町の塾講師久住秀司さん(71)は「検査が進んでいる他の市町村のWBCを、待機者の多い地域の住民が使うことはできないか」と市に求めた。しかし、市からは「難しい」との回答だった。
 車載型のWBCの価格は1台1億円程度。国、県からの補助金がなく、市町村が全額を負担している。県南地方の市町村の担当者は「住民の税金で購入した機器を他の市町村に貸し出した場合、地元住民の反発が予想される」と相互活用の難しさを口にする。

■報告届かず
 県は当面の検査対象を原発事故当時、18歳以下と妊婦の合わせて約38万人とし、平成23年6月から避難区域や都市部を重点的に検査してきた。2月末までに約11万9000人の検査を終えた。
 県は受診実態を把握するため、独自にWBCを導入した市町村に月1回、受診者の検査結果を報告するよう求めている。だが、一部の市町村から報告が届かず、どれだけの県民が検査を受けたのか正確に把握できていない。
 多くの市町村は、WBCがある病院と協定を結び、検査を委託している。須賀川市の担当者は「協定を結んでいない市外の病院で受診した市民を追跡できず、県に正確な数を報告できない」と実情を明かす。
 県は市町村や病院の報告を参考に「現時点で29万人程度が受診した」と推定するのが精いっぱいだ。

■台数に限り
 市町村や病院は健康に不安を抱く住民からの要望に応える形で、独自にWBCを購入し、検査を進めた。県は市町村との連携不足から、各市町村の待機者解消に向けた有効な対策を打ち出せずにきた。県県民健康管理課の担当者は「市町村の検査状況を把握できないため、WBCを待機者の多い地域に優先的に配置できなかった」と認める。
 県は今年度中にも、市町村と民間病院に詳細な情報提供を求め、検査結果を一元管理するデータベース化を進める。各地の待機情報を基に、県所有のWBCを優先的に配置するなど対策を進めたい考えだが、WBCの台数に限りがある中、どれだけ待機者の解消につながるかは不透明だ。

■背景
 ホールボディーカウンターは、人体の内部に取り込まれた放射性物質が出す放射線の量を精密に計測し、全身の内部被ばくの程度を調べる装置。県は平成23年6月から県民の内部被ばく検査を進めている。子どもや妊婦らを優先させ、今年度からは比較的放射線量が低い会津地方の子どもや妊婦の検査を開始する。
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論文引用 国内トップも世界17位


学術論文が引用された件数による大学や研究機関のランキングがまとまり、国内トップの東京大学は世界では17位と、調査が始まった11年前以来の低い順位となりました。
アメリカの情報サービス会社トムソン・ロイターは、2002年から毎年、世界の大学や研究機関が発表した学術論文が、過去11年間に、ほかの論文に引用された件数のランキングを発表しています。
それによりますと、国内トップの東京大学は世界では17位、次いで、京都大学が35位、このほか、大阪大学が47位、科学技術振興機構が59位、東北大学が77位などとなっています。
国内トップの東京大学の順位は3年連続で下がり、調査が始まった11年前、2002年の19位に次ぐ低い順位となりました。
トムソン・ロイターによりますと、東京大学の論文の引用件数はこの10年余りで2倍以上に増えましたが、中国やインドなどで発表された論文の引用件数がそれ以上に増えたため、順位が相対的に下がったということです。
一方、分野別に見ると、「物理」では東京大学が世界で3位、「化学」では京都大学が4位に入り、ノーベル賞を数多く受賞してきた分野では、世界への影響力を示す形となっています。

新潟県知事「原発地元の声に耳を」


東京電力柏崎刈羽原子力発電所を抱える新潟県の泉田知事は、国の原子力規制庁を訪れ「立地自治体の課題や疑問にもっと聞く耳を持ってほしい」と述べて、原子力規制委員会に対し原発の地元の声を聞くよう要望しました。
新潟県の泉田知事は原子力規制庁を訪れ、おととしの福島第一原発の事故を独自に検証した新潟県の技術委員会がまとめた報告書を池田克彦長官に提出しました。
そのうえで、泉田知事は原子力規制委員会が今月10日にまとめた新たな規制基準の案について「原発事故の検証が終わらないなか、地元の意見も聞かずに作られた新たな基準で、なぜ安全が確保できると言い切れるのか。立地自治体の課題や疑問にもっと聞く耳を持ってほしい」と述べ、規制委員会に対し原発の地元の声を聞くよう要望しました。
これに対し、池田長官は「意見は幅広く聞いている。新基準は原発事故の検証を100%解明しなければできないものではない」と答えるとともに、県の技術委員会での説明を検討する考えを示しました。
規制委員会は原発事故で前の原子力安全・保安院が「事業者の虜(とりこ)」などと批判されたことから「独立性」を掲げていますが、電力会社や自治体への説明や意見を聞く場が少ないとして「孤立している」といった指摘も出ています。
泉田知事は「公正で独立していることと話を聞かないことは全く違い、規制委員会は意味をはき違えている。透明性をもって情報を提供していくことが一番重要で、今のやり方で信頼を得るのは難しい」と話しています。

甲状腺検査:市町村別の結果を開示…福島県、請求拒めず

毎日新聞 2013年04月22日 02時31分
甲状腺検査に向かう子供たち=福島市の県立医大病院で2011年10月10日、安高晋撮影
甲状腺検査に向かう子供たち=福島市の県立医大病院で2011年10月10日、安高晋撮影
 東京電力福島第1原発事故を受けて福島県が実施している子供の甲状腺検査で、市町村別の判定結果一覧表が、情報公開請求していたNPO法人に開示された。県側は「プライバシー保護」を理由に公表を拒み続けていたが、県の情報公開条例上は非開示にする理由がなく、開示を余儀なくされた。識者からは「一覧表で個人が特定される恐れはなく、情報を出そうとしない県の姿勢は疑問だ」と批判が出ている。
 県の甲状腺検査(1次検査)では、しこりの有無などを超音波で調べ、4段階で判定している。開示されたのは、2011年度に検査した子供3万8114人の判定結果を市町村ごとにまとめた一覧表。検査を委託されている県立医大が昨年4月に作成した。NPO法人「情報公開クリアリングハウス」(東京都)の三木由希子理事長が同12月に請求し、今年1月下旬に開示された。
 2次検査が必要な「B」と判定された人の割合は0〜1.7%、5ミリ以下のしこりなどがある「A2」は25.2〜41.6%と、自治体間でややばらつきがあった。公害調査に詳しい津田敏秀・岡山大学教授(疫学)は「1回の数値だけで明確なことは言えないが、放射性物質(ヨウ素131)の拡散状況と甲状腺がんの因果関係を調べるのに重要な情報。変化の動向を見るためにも定期的な公表が不可欠だ」と指摘する。
 開示決定について、県の県民健康管理課は「条例の規定を踏まえて判断した」と説明した。条例は個人情報や県民に誤解や混乱を与える情報などが記載された公文書は開示しないと定めているが、一覧表はこれらに該当しない。しかし、検査責任者の鈴木真一・県立医大教授は開示後の2月13日の記者会見でも「地域が特定されて本人に迷惑がかかる」と述べ、市町村別の判定結果を明らかにしなかった。【日野行介】

医療産業の海外展開、23社で新法人設立へ

日本の医療機器や医薬品、医療サービスの海外展開を支援するため、官民共同で設置する新組織の概要が判明した。
 2011年に設立された社団法人「メディカル・エクセレンス・ジャパン」(MEJ)を改組し、同名の組織として近く活動を開始する。政府は医療産業を成長戦略の柱と位置づけており、海外の医療制度の情報提供などを通じ新MEJを支援する。
 新MEJは今月23日にも発足する予定で、島津製作所や富士フイルムといった最先端医療を支える医療機器メーカーなど23社が参加する。海外で病院などの建設事業が行われることを視野に、大手ゼネコンも参加に意欲を示している。
 政府は、先端的な医療機器や新薬の開発を進めるため、米国立衛生研究所(NIH)にならった日本版NIHを設立する方針をすでに固めている。NIHは開発、MEJは販売をそれぞれ支援することで、医療産業の発展につながることを期待している。
 現在のMEJは、日本に治療に訪れる外国人患者のビザ取得支援や病院紹介などを業務としている。政府はこれを「医療産業の海外展開の中核的役割を担う組織」(政府筋)に改める方針だ。
(2013年4月21日 読売新聞)

横浜高島屋の先進的な障害者雇用 自主性尊重が成長の鍵 法定雇用率、民間企業は2・0%

障害者の法定雇用率が4月から、民間企業で2・0%となった。先進的な取り組みで知られる横浜高島屋(横浜市西区)はすでに雇用率が2・26%に達し、これまでに企業や行政、大学、福祉の関係者、障害者の保護者ら2700人超の見学者も受け入れている。
 午前9時45分、朝礼で1日が始まる。知的障害者ら13人で構成される同店のワーキングチーム。リボン・箱といった小物類や書類の作成、在庫の補充など任される仕事は約150種。チラシの修正など緊急の仕事も舞い込んでくる。
 「自閉症の人は反復作業が得意な人が多い」。障害者の職場適応で支援を行うジョブコーチ(職場適応援助者)の資格を持つ大橋恵子さん(53)は、そう話す。
 同店では、チームの13人も含め計28人(男性17人、女性11人)の障害者が働く。しかし、チーム発足を決めた当初は「障害者の方をどう扱っていいか分からなかった」と、現在採用責任者を務める池田勝さん(44)は振り返る。就労支援センターに相談して紹介されたのが大橋さんだ。
大橋さんの指導の下、障害者2人で発足したチームは現在、知的障害者12人、身体障害者1人の計13人にまで拡大。障害の重さなどそれぞれの適性に応じて、仕事をテキパキとこなしていく。
 「障害者はゆっくりでも必ず成長する。ただ、目標を持つ習慣や、達成感を味わう機会が少ない」。こう指摘する大橋さんは、「自立を促すため、本人の意思をできるだけ尊重する」との信念から、さまざまな工夫を凝らしている。
 その一例がスケジュール管理だ。チームではスケジュールを自分で決める。職場のホワイトボードには各自の名前と業務内容の書き込まれたマグネットが張り付けてある。毎日帰宅前、マグネットを張り替えて翌日の自分の仕事を決める。入社6年目の内田雄二さん(23)は「目標を達成したことがうれしかった」と話す。
 大橋さんはさらに、「自分が誰かの役に立つと実感することが大切」と強調。新入社員の山内元太さん(18)は、高校3年のときに同店で研修した際、大橋さんに勧められ、東日本大震災の被災地の岩手、宮城両県でボランティアも経験した。山内さんは「被災者に会って、大変さがいろいろ分かった」という。
障害者の人材教育に力を入れる同店。池田さんはチームについて「良質な労働力。実力で社内での地位を上げてきている」と高く評価。今後も毎年、障害者を数人ずつ採用していく方針で、「これからはチームのリーダーになってもらう人材として、精神障害者の採用にも力を入れたい」と構想を語った。(小林佳恵)
 【用語解説】障害者雇用率制度
 「障害者雇用促進法」に基づき、企業などに一定以上の割合で障害者の雇用を義務づける制度。対象は身体障害者と知的障害者だが、精神障害者も雇用率算定時にカウントする。
 昭和51年の制度開始当初の法定雇用率は1・5%だったが、その後段階的に引き上げられてきた。今年4月には0・2ポイント引き上げられ、国・地方自治体が2・3%▽都道府県などの教育委員会が2・2%▽民間企業が2・0%-となった。対象となる企業の従業員数もこれまでの56人以上から50人以上に拡大された。
 200人以上の従業員を抱える企業が違反すると、採用しなければならない障害者1人につき毎月5万円を国に納付金として支払わなければならない。また、行政指導も受け、2年9カ月が経過しても改善されない場合は企業名が公表されることになる。
msn

病院の苦境続く スタッフ不足、ニーズ変化

東京電力福島第1原発事故に伴い、設定された避難区域。区域のすぐ外側の地域で診療に当たる病院は、スタッフ不足に加え、原発事故に起因する医療ニーズの変化から、それぞれ困難な課題を抱えている。病院関係者は現在の医療体制に不安を抱きつつ、「ここは避難区域を目の前にした『最前線』。ここで医療を維持する必要がある」と使命感を口にする。
 福島第1原発から北に約25キロの南相馬市原町区にある小野田病院には、約70人の透析患者が通う腎透析センターがある。市内で透析を扱うのはここの他に1病院だけ。
 3月末、センターで透析を担当していた腎臓内科と泌尿器科の医師計3人中2人が退職し、担当医師が1人になった。「透析患者は今後どんどん増えていくのに…」。同病院の菊地安徳院長(54)は危機感を吐露する。
 同市によると、市民のうち65歳以上の高齢者は、震災直前は26%だったが、今年4月4日時点で33%に跳ね上がった。若い世代ほど避難先から市内に戻る割合が低いことなどが要因だ。また、市内で生活する市民全体の2割を超える約1万1000人が市内の仮設住宅や借り上げアパートなどで生活。双葉郡など他の自治体からの避難者も市内におり、高齢化が進む中、避難者の健康をどう守っていくかが課題となっている。
(2013年4月21日 福島民友ニュース)

災害時の透析円滑に 県内55機関にカード配布 県透析医会

県透析医会(熊川健二郎会長)は東日本大震災を教訓に、腎不全を抱える透析患者の治療情報を手軽に更新できる「透析カード(リライトカード)」と付属のカードリーダーを県内の希望する55医療機関に配布した。カードの全県的な普及により、災害発生時にそれぞれ透析条件が異なる患者に対して、円滑な治療を施すことができる。病歴などを自由に書き込める機能を独自に加えた。同医会は「救急搬送のときにも活用できる」と期待する。 
 これまでのシステムは透析条件を中心に定形の内容を表記するだけだった。余分な項目を省いて空欄スペースを設けたことで、感染症や服用できない薬などを表示できるようにした。 
 カードは運転免許証と同じサイズ。かかりつけの病院で内容をパソコンに書き込んだ上で保存すると、カードリーダーで表面に印字されるという。日本透析医会からの東日本大震災義援金を活用し、県透析医会は2月から随時、カードの配布を開始した。 
 同医会で災害対策担当の郡山市の援腎会すずきクリニック院長、鈴木一裕さん(46)は「患者のことが分からないと、治療も大変だった」と情報の大切さを痛感している。震災後の一昨年3月13日に病院を再開した。患者は毎週の定期的な透析が必要になるためだ。浜通りからの避難者を含め通常の2倍の約120人を受け入れた。手探りの治療になり、リスクと隣り合わせだったという。カードを持つ矢吹町の男性患者(60)は「もう『万が一』は来てほしくないが、これで緊急時を含めて安心できそうだ」とカードの配布を歓迎した。 
 同医会によると、県内には約4500人の腎不全患者がいるという。 
  カテゴリー:主要 

川内村と長崎大が協定 除染評価や健康管理

川内村と長崎大は20日、村の復興と活性化に向けた包括連携に関する協定を締結、村内の児童施設に同大のサテライト施設「長崎大学・川内村復興推進拠点」を開設した。
 同大は村を「福島復興のモデルケース」と位置付け、今後、協定に基づき、土壌などの放射性物質測定による除染効果の評価や食品、飲料水の放射性物質測定を通して村民の安全、安心を確保。このほか保健師を1年間、同施設に常駐させ、健康相談や検診、保健医療福祉活動などを通して村民の健康管理や健康増進を目指す。
 同大は、同じく村内にサテライト施設を持つ福島大うつくしまふくしま未来センターとも連携していく。
 村コミュニティセンターで行われた協定締結式では、福島大うつくしまふくしま未来センターの仲井康通特任教授らが見守る中、遠藤雄幸村長と片峰茂長崎大学長が協定書を取り交わした。
(2013年4月21日 福島民友ニュース)

2013年4月20日土曜日

がん検診車法改正要望へ


医師が立ち会わないがん検診車でのX線撮影を厚生労働省が「違法」と判断し、山口県下関市が検診車の運用を中止している問題で、県市長会は18日、医師不在でも撮影できるように法改正することを同省に要望することを決めた。
 山口市で開かれた定例会議で法改正などを求める議案を全会一致で可決した。同省には、法改正までの間は、これまで通りの運用を認めることも要望し、県には、県独自の判断で検診できる見解を出すよう求める。
 議案は、下関市と、一部で検診を中止する可能性がある周南市が「法律が現状に即していない」などとして提出。市長会長の白井博文・山陽小野田市長が「非常に低いレベルの違反で、独自に運用できる問題だ」との見解を示した。一方で、「法令に抵触するのは事実。職員に(検診を)実行するようには言えない」(岩国市)などとする意見も出たため、結論が出るまでは、各市の判断に任せることを確認した。要望は、白井市長が上京して同省の担当者に伝える。
(2013年4月19日 読売新聞)

医療事故、届け出義務づけへ…第三者機関を新設


厚生労働省の医療事故の調査のあり方を議論する検討部会は18日、医療行為に関連した死亡事例の原因究明について、病院内の調査を原則とし、新たに設置する第三者機関への届け出を義務づける方針を示した。
 厚労省は今夏までに意見をとりまとめ、今秋に予定している医療法改正に盛り込む考えだ。
 検討部会では、医療事故の原因究明と再発防止に向け、昨年2月から議論を続けている。
 18日までの議論では、原因究明は院内調査を先行させ、遺体の解剖や画像診断などを行った上で、結果を遺族に説明する。院内に設置する事故調査委員会の中立性や透明性を高めるため、必要に応じて、医師など外部の専門家をメンバーに加えることができるとした。
(2013年4月19日 読売新聞)

子どもの心ケア学ぶ 東北被災地から神戸視察


東日本大震災の被災地から、神戸市教育委員会への視察が相次いでいる。
 阪神大震災の際、子どもたちの心のケアを行った同市教委のノウハウを学ぶのが目的だ。東北の被災地では子どもたちの心の不調が見え始めているといい、市教委の担当者は「阪神大震災の経験が東北でも生きれば」と話している。
 東日本大震災以降、仙台市や岩手、福島両県の各教委が神戸市の取り組みを学びに訪れた。大災害に備える自治体の教委も研修に来ていて、2012年度は計約50件に上った。市教委の担当者が各地で講演する機会も増えているという。
 各自治体の関心は子どもの心のケアへの取り組みに向いている。阪神大震災では同級生や担任教諭という身近な存在を失い、悲しみや不安を抱える子どもも多く、1995年4月から「教育復興担当教員」を各小中学校に配置。2010年まで、延べ1107人が児童、生徒の心のケアに当たってきた。
 震災から2、3年後には非行や不登校といった問題行動を起こす子どもが急増した。1997年に心のケアが必要とされた小中学生は3408人と全体の約2・5%に上り、96年から24・5%も増えたという。震災後生まれでも家庭環境の影響で情緒不安定になるケースもあった。
 発生から2年が過ぎた東北の被災地でも、子どもらの問題行動が徐々に表れてきているという。
 今年3月に視察した宮城県石巻市教委の伊藤浩指導主事(53)はストレスに苦しむ子どもらへの対応などを聞いた。「子どもに寄り添うことの重要性を再確認できた。心のケアは時間がかかるが、丁寧に対応していきたい」と話した。
 かつて担当教員だった神戸市立住吉中の中溝茂雄校長は「神戸が培った経験を全国に伝えるのは私たちの使命。つらい思いをする子どもを一人でも減らしたい」と強調した。(藤基泰寛)
(2013年4月20日 読売新聞)

細胞のイオン動き 直接観察できる装置を開発…世界初


豊橋技科大・沢田教授

イオンイメージセンサーの操作の指示をする沢田教授(奥)
 豊橋技術科学大学(愛知県豊橋市)は17日、同大大学院工学研究科の沢田和明教授(49)が、これまで間接的にしか見ることができなかった細胞のイオンの動きを、直接観察できる「イオンイメージセンサー」の開発に世界で初めて成功したと発表した。
 生物の体内では、細胞の水分量調節に関わるナトリウム、カリウムイオンや呼吸の調節に関係する水素イオン濃度など、イオンの動きが生命維持や健康に欠かせない働きをしている。だが、こうした化学物質は目で見えず、これまでは蛍光物質で“標識”を付けるなど間接的にしか観察することができなかった。
 沢田教授の研究は、イオンが帯びている微弱な電気を窒化ケイ素膜という特殊な材質のセンサーを用いてとらえ、ビデオカメラの映像のように動画として可視化するもの。水の中に入れても正常に作動する集積回路の開発に最も苦労し、着手から実現まで13年かかったという。
 生きた細胞を装置に載せてイオンの動きを直接観察できるのが特色で、この技術を使い、同大学で新たな顕微鏡開発の研究が始まったほか、国立長寿医療研究センター(大府市)ではアルツハイマー病の超早期診断に向けた検査装置の開発を進めているという。
 研究成果はイオンイメージセンサーシステムとして一連の技術を包括した特許を取得。今年度の文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞した。沢田教授は「医療機器や新薬の開発など、幅広い分野に寄与できれば」と期待している。
(2013年4月18日 読売新聞)

虫歯治療で抜いた神経再生、世界初の臨床研究へ


虫歯の治療で抜いた歯の神経(歯髄)を、親知らずから取り出した細胞を移植して再生する世界初の臨床研究を国立長寿医療研究センター(愛知県)の中島美砂子部長らが今月内にも始める。
 細菌による虫歯再発や化膿かのうを防ぎ、歯の寿命を長くできると期待される。
 症状の重い虫歯の治療では、歯の中央部分に位置する歯髄をくりぬき、空間を金属などで補強する。周囲はセメントで固めるが、すき間から細菌が入り、虫歯が再発したり、歯の根もとが化膿したりすることも多い。抜歯に至る場合もある。
 臨床研究では、患者5人の、親知らずなど不要な歯から、歯髄の再生を促す細胞を採って培養。培養した細胞を、とどまらせる役割のたんぱく質とともに、歯髄の抜けた空間に注入する。犬の実験では2か月後に歯髄が回復。臨床研究では、同様の効果があるか、安全性と有効性を確認する。
(2013年4月20日 読売新聞)

スタンプで受診率向上へ 飯舘村 内部被ばく、甲状腺検査 中学生以下図書カードに交換



スタンプカードを受け取った高橋君(左)と木幡さん
 東京電力福島第一原発事故で全村避難した飯舘村は17日、村の幼稚園児から中学生までの子ども全員に毎年、内部被ばく検査と甲状腺検査を受けることを促す「全までいっ子内部被ばく・甲状腺検査事業」を開始した。受診するとスタンプがたまり、図書カードと交換できる。受診率の低下が背景にあり、園児や児童・生徒に受診を習慣化させたい考えだ。
 村が打ち出した内部被ばく・甲状腺検査事業は、福島市のあづま脳神経外科病院で年1回、両検査を受けるとスタンプが1個もらえる。スタンプは1個1万円分の図書カードに交換でき、卒園・卒業時にスタンプ数に応じた図書カードが交付される。幼稚園や学校が病院での検査を学校行事として計画する。
 避難のため村の幼稚園や学校から転校した子どもも対象だが、1スタンプで交換できるのは5千円分の図書カード。福島市飯野町にある村の幼稚園と中学校、川俣町にある村の小学校に戻ってもらう狙いもある。
 村は子どもの健康管理のため、年1回の内部被ばくと甲状腺の検査受診を求めているが、一度受診するとその後は受診しない子どもが増えている。受診者のほとんどが問題のない数値だったため、定期的な受診に結び付いていない、と村は分析している。
 原発事故直後の平成23年には放射性物質による健康への影響の関心が高かったことから、18歳以下の村民1090人のうち、84・1%に当たる917人が甲状腺検査を受けた。しかし、24年に受診したのは対象の幼稚園児から中学生まで655人のうち、42・7%の280人にとどまった。
 内部被ばく検査は655人のうち、受診したのは22・4%の147人と4人に1人に満たなかった。
 スタート初日の17日は、菅野典雄村長が福島市の村飯野出張所で、飯舘中2年の高橋伸仁(のぶと)君(13)と木幡沙也加さん(13)にスタンプカードを手渡した。村は今後、転校している子どもも含めた園児と児童、生徒の660人全員にスタンプカードを渡す。
 菅野村長は「村が責任を持って子どもの健康を守りたい」と受診率向上への意気込みを語った。
■南相馬市の内部被ばく検査 健康診断に導入 小中生対象HPで受け付け
 飯舘村と同様に受診率が低下傾向にある南相馬市は、平成25年度から小中学生の健康診断の一環として内部被ばく検査を実施する。また、市のホームページで検査の申し込みを受け付け、検査を受けやすくしている。
 市立総合病院では23年10月から24年7月まで、毎月1500人程度が受診していたが、徐々に減り始め今年2月には154人に下がった。

■県内甲状腺受診率は42%
 県県民健康管理課によると、県民健康管理調査のうち、18歳以下の全県民を対象にした甲状腺検査の実施状況は今年1月25日現在、対象者約36万人に対し受診者は約15万人。受診率は約42%となっている。
 内部被ばく検査について県は、全ての市町村の状況を把握していない。
福島民報

里帰り出産回復傾向 県産科医会調査




東京電力福島第一原発事故発生後に大幅に減少した県内での「里帰り出産」が回復に向かっていることが18日までに県産婦人科医会の調査で分かった。本県出身者が県内の実家に戻って出産した件数は、原発事故以降、月別で前年割れが続いていたが、昨年9月に初めて前年同月比で増加に転じた。医会は放射線に対する妊婦の不安が軽減したことが要因の一つと分析し、「昨年10月以降も回復傾向は続いている」とみている。
 調査は出産を扱っている県内の産科の48医療機関を対象に3カ月ごとに実施している。最新の昨年9月分までの集計がまとまり、22機関から回答を得た。里帰り出産と出産全体の件数の推移は【グラフ】の通り。
 原発事故前の平成22年の月平均は188.5件だったが、3月に事故があった23年は月平均117.4件にダウン。24年は9月時点で月平均73.3件だった。
 24年上半期の月平均は65.3件で、50件台の月も3回あったのに対し、下半期は7月に80件、8月に92件と増え、9月は96件と、前年同月の72件を初めて上回った。
 昨年10月以降の全県の調査は集計前だが、今年3月までの件数を独自に集計している福島市の明治病院では、23年が月平均3.8件だったが、24年は同5.3件に増えた。特に10月以降の増加が目立ち、25年も3月までで同6.3件に回復している。
 同病院の理事長で医会の幡研一会長は「これから集計する全県の調査でも件数は増加していくのではないか」との見解を示す。その上で回復傾向の要因について「原発事故から時間が経過し、妊婦の放射線に対する不安がある程度軽減されている」と述べた。
 一方で「親元で出産できれば精神状態に良い影響がある上、産後の手伝いも期待できる。しかし、依然として風評は続き、件数自体は例年を下回っている」と指摘した。
福島民報

交通事故死亡者が50人に


19日夜から20日未明にかけて交通事故が相次ぎ、古河市や筑西市で車を運転していた男性2人が死亡し、県内の交通事故の死亡者が去年より9日早く50人となりました。
19日午後10時20分ごろ、古河市西間中橋の市道で軽乗用車が電柱の支線のワイヤーに後ろから衝突しました。

軽乗用車の運転席には近くに住む会社員の63歳の男性が乗っていましたが、意識はなく病院で死亡が確認されました。
現場の市道は袋小路になっているところで、警察は事故の原因や男性の死因などについて調べています。
また、20日午前4時10分ごろ、筑西市桑山の市道の交差点で、筑西市門井に住む会社員、酒寄哲司さん(31)が運転する軽乗用車が道路脇の電柱に衝突しました。酒寄さんは全身を強く打って病院に運ばれましたがまもなく死亡しました。

警察によりますと現場は信号機のない交差点で、軽乗用車は反対車線にある電柱に正面から衝突していたということで警察で事故の原因について調べを進めています。茨城県警察本部によりますとことしに入ってから20日までに交通事故で死亡した人は50人となりました。

これは去年より9日早く、また死亡者のうち高齢者が31人と半分以上を占めています。
警察は高齢者向けの交通安全教室の実施や街頭での指導、悪質な交通違反への取り締まりを強化して事故防止に努めたいとしています。
04月20日 13時41分

珍しい特大魚水揚げ


石巻市の魚市場でふだんはなかなか見ることができない特大の魚が水揚げされ、買い受け人などの間で話題となっています。
石巻魚市場で水揚げされたのは、やや深い海に生息する「イシナギ」という魚で、女川沖で操業していた地元の底引き網漁船がとらえて生きたまま水揚げしました。
石巻の近海でとれる「イシナギ」は通常、体長40センチ、重さ4キロほどですが、今回は体長1メートル30センチ、重さ49キロと“特大”のサイズです。
市場や買い受け人によりますと、これほどの大きさの「イシナギ」が生きたまま水揚げされるのは非常に珍しいということで、生けすの周りには買い受け人や見学者で人だかりができていました。
「イシナギ」はすぐに競りに出され、仙台市の卸売業者が8万円あまりで競り落としました。
競り落とした業者は「脂が乗っていて、身も太く、良い魚です」と喜んでいました。
イシナギは普段は岩場に隠れている魚で、なぜ底引き網にかかったのかは定かではありませんが、市場の間では、3日前に石巻市で震度5弱を観測した地震と関連づける人も現れていて、石巻魚市場の須能邦雄社長は「地震でびっくりして出てきてしまったのではないでしょうか。魚も安心していられませんね」と話しています。
04月20日 12時16分

薬の登録販売者試験で不正受験疑い1000人超


薬剤師でなくても市販薬を販売できる登録販売者の資格試験で、制度が始まってから4年半の間に、1000人以上が不正に受験していた疑いのあることが、厚生労働省の調査で分かりました。
登録販売者は、薬剤師でなくても市販薬を販売できる資格で、受験するためには、一定期間、薬剤師のもとで実務経験を積んだ証明書などが必要です。
しかし、大手スーパーマーケットの「西友」やドラッグストアを運営する「カメガヤ」などで、実務経験のない従業員にうその証明書を発行していたことが相次いで発覚し、厚生労働省が、都道府県を通じて調査を進めています。
これまでの調査で、この制度が始まった平成20年から去年11月までの4年半の間に「西友」で延べ310人、「カメガヤ」で延べ485人、このほか全国31の事業者で延べ269人の合わせて延べ1064人が、不正に受験していた疑いのあることが分かりました。
このうち、「西友」と「カメガヤ」では合わせて261人が合格しているということです。
厚生労働省は不正が確定した人については、順次、合格を取り消す方針で、受験の際にも実務経験を証明する勤務簿の提出を求めるなどして再発を防ぐ取り組みを進めることにしています。

風評被害対策表彰し全国に紹介


森消費者担当大臣は、福島県が東京都内で運営する県産品の販売店を視察し、今後、原発事故による食品の風評被害の対策に取り組む店などを表彰する新たな制度を設け、優れた取り組みを全国に紹介していく考えを示しました。
原発事故による風評被害の対策に取り組む森大臣は、19日午後、福島県が、東京・江戸川区の大型スーパーの中で運営する県産の食品の販売店を視察しました。
森大臣は野菜などを試食し、店の担当者から商品の安全性やおいしさを消費者にしっかり伝えることで、売上げは震災前と同じ水準になっていることなどの説明を受けていました。
視察のあと、森大臣は「福島県産の食品の安全性や魅力を消費者が理解し納得すれば買ってもらえると思う。風評被害の対策に積極的に取り組んでいる優れた事例を全国に紹介していきたい」と述べて、対策に取り組む店などを表彰する新たな制度を設ける考えを示しました。
また、食品の安全性などを正しく伝えられる人材の育成や、全国でのミニ集会なども始める方針で、来週にも消費者庁の風評被害対策として取りまとめ、公表することにしています。
NHK

原発事故の避難者がヘルパー資格を取得


原発事故の影響で埼玉県内で避難生活を余儀なくされている福島県の男女12人がホームヘルパーの資格を取得し、さいたま市で20日、修了式が開かれました。
ホームヘルパーの資格を取得したのは、原発事故のあと、埼玉県内に避難している福島県浪江町や双葉町などの男女12人です。
20日はさいたま市大宮区で修了式が行われ、ホームヘルパー2級の資格の修了証が1人ずつに手渡されました。
震災や原発事故から2年余りがたち避難生活が長期化するなかで、12人は再就職などを目指してことし1月から連合埼玉が企画する無料の資格取得の講座を受け、県内の介護施設で実習などを積んでいました。
連合埼玉はことし6月にも同じような資格の取得に向けた講座を開くということです。
福島県双葉町から埼玉県加須市に避難している50代の女性は「地元にはまだ帰れそうにないので今回の資格取得で介護の仕事も考えたいと思いました」と話していました。

中学の完全給食は行わず、業者弁当を2校で試行、保護者ら失望の声/平塚市

平塚市は18日、市立中学校での給食問題について、「家庭からの弁当と業者弁当販売方式の併用」を採用し、学校給食法に基づく完全給食(主食、おかず、牛乳)は行わないと発表した。3月末にまとめられた同市教育委員会の報告を是認した。これを受け市教委は、新たな業者弁当販売方式を本年度中に1、2校で試行し、14年度以降に全校に拡大する方針を示した。ただ、保護者らを中心に完全給食を求める意見が根強かっただけに、市の判断に失望の声も上がっている。

 平塚市立中学15校では現在、牛乳だけの「ミルク給食」を実施。生徒は原則として家庭からの弁当で昼食を取っている。しかし、保護者の負担軽減や栄養バランスの確保のため、弁当以外による昼食確保の必要性が問われ、市教委で検討していた。

 市教委報告では、完全給食の実施は財政上難しいと結論。家庭からの弁当と併用する業者弁当は、(1)栄養バランス確保のため栄養士による指導・助言などを行う(2)業者やメニューの選択は学校のニーズに合わせる(3)人件費などについて一部を行政負担し、価格軽減と弁当内容に反映させる(4)13年度内に1、2校で試行し、14年度以降に順次市内全校で行う-との条件で事業展開するとしていた。同様な販売方法は伊勢原市で実施しているという。

 平塚市は報告を是認したうえ、(1)心身ともに健やかに育ち、勉強や部活動などに専念できる(2)地域性も考慮し、生徒や保護者の声も聴きニーズに合ったメニューを加味(3)当日朝の注文方式-を市教委に要望した。

 市教委では今後、試行する中学や業者の選定、メニューや価格の設定などについて検討する。栄養バランスに配慮したうえ、保護者に利用しやすい価格にするため、どこまで行政負担を行うかなどが大きな焦点となる。市教委では「本年度末までには、できれば2校で試行したい」とした。

 また、学校独自に業者弁当を販売している2校、パンを販売している2校についても、新たな業者弁当販売方式の試行に伴い、販売方法の修正やニーズ調査を検討する。

 完全給食の実施を求めていた「中学校給食を実現する会」の谷容子会長は、市の決定について「子育て支援に逆行するものなので方向転換してほしい。子育て世代が選んで暮らす市になることを願う」と話した。

 ◆県内の中学校給食(12年度) 小学校と同様の単独・共同調理場による完全給食が小田原市など6市7町1村、デリバリー弁当箱方式による完全給食が海老名市など1市1町、共同調理場とデリバリー弁当箱方式の併用による完全給食が相模原市。ミルク給食が平塚市など10市5町、未実施が横浜市。ミルク給食の市町の多くと横浜市では業者弁当の販売が導入されている。