2013年4月13日土曜日

統合失調症「思春期までに対処」の研究成果


統合失調症は、脳の発達が思春期までに損なわれると、それ以後と比べて発症しやすくなるとする研究成果を、東北大学のグループがまとめ、調査に当たった研究者は「発症のおそれのある子どもには思春期までに対処することが重要だ」と指摘しています。
東北大学大学院医学系研究科の大隅典子教授らの研究グループは、脳の発達を損なう薬をマウスに投与して、音に対する反応を調べました。
小さな音を聞かせたあとに大きな音を聞かせる実験では、人の15歳以上に当たる生後6週間を過ぎたマウスは、いきなり大きな音を聞かせた場合よりも音への驚きが軽減されました。
一方、生後6週間までのマウスは驚きが軽減されず、統合失調症に特有の音に対する敏感な反応を示したということです。
統合失調症は遺伝的な要因や心理的なストレスなどが原因で発症すると考えられていますが、研究グループは、この実験から、脳の発達が思春期までに損なわれると発症しやすくなることが分かったとしています。
さらに、統合失調症の症状を示す生後6週間以内のマウスをかごに入れたうえで、回転車やトンネルなどの配置をこまめに変えて遊べる環境を作ると、症状が緩和されることも分かったということです。
大隅教授は「強いストレスを受けるなどして統合失調症を発症するおそれのある子どもには、思春期までに対処することが重要だ」と話しています。
この研究は12日、アメリカの神経科学の学会誌に発表されます。