2013年4月30日火曜日

高齢粗暴犯急増/県内41人、10年前の8倍

2012年中に、刑法犯で摘発された香川県内の65歳以上の高齢者のうち、暴行や傷害などの粗暴犯は41人に上り、10年前の02年(5人)から約8倍に増えたことが香川県警刑事企画課のまとめで分かった。高齢者の粗暴犯の急増ぶりが目立つことから、香川県警は各機関と連携するなどして対策を検討する方針。

 まとめによると、高齢者の刑法犯摘発者数は前年比11・0%増の525人で2年ぶりに増加。粗暴犯の摘発者数は03年以降は2桁となり、ここ5年間は20人以上が続いていた。12年の刑法犯に占める粗暴犯の割合は7・8%と、02年(1・7%)や03年(2・7%)に比べて大幅に上昇している。

 12年の粗暴犯の内訳をみると、暴行が20人で最も多く、次いで傷害が16人、脅迫4人、恐喝1人。暴行は前年比2人増、傷害は前年の3倍に増えており、それぞれ過去10年間で最多。傷害で摘発された6割は70歳以上だった。

 同課によると、近年は夫婦間のドメスティックバイオレンス(DV)や男女関係のトラブルなどが目立つという。

 12年中の主な事件では、女性をめぐるもめ事から男がモデルガンで知人男性の頭を殴るなどした事案や、妻とささいなことで口論となった夫が、ひざげりするなどしてろっ骨を折ったり、木製バットで殴ったりして妻にけがを負わせたケースなどがあった。

 暴行や傷害にとどまらず殺人にまで到ったのは2件。このうち1件は、老人ホームで80代の男が同じ入所者の男女2人を殺傷したとされる。

 同課は「感情を抑えられずに暴行や傷害事件を起こす高齢者が増えており、家族や社会全体で検討すべき課題として対策を考えていきたい」としている。