2013年4月20日土曜日

放射性物質「海まで100年以上」


福島第一原子力発電所にある汚染水の貯水槽で水漏れが相次いでいる問題で、東京電力は、地盤に漏れた放射性物質が地下水によって海に流れ出るまで100年以上かかるとする試算結果を公表しました。
一方、別の試算では、海に流れ出る放射性ストロンチウムの濃度が、早ければ10年程度で法令の上限を超えるとしていて、専門家は、「漏れた水を回収する方法を検討すべきだ」と指摘しています。
福島第一原発では、汚染水を保管する地下の貯水槽で水漏れが相次ぎ、東京電力は、貯水槽のおよそ2万3000トンを、6月上旬までに地上のタンクに移す方針で、今月16日から作業を続けています。
この問題を巡って原子力規制委員会の専門家会議が開かれ、東京電力は、貯水槽から地盤に漏れた放射性のストロンチウムが、地下水によっておよそ880メートル離れた海に流れ出るまで、100年以上かかるとする試算結果を公表しました。
一方で、日本原子力研究開発機構も試算を公表し、120トンの汚染水が漏れたとみられる2号貯水槽では、海に流れ出る放射性ストロンチウムの濃度が、早ければ10年程度で法令の上限を超えるとしています。
これに対し専門家からは、「漏れた水を回収する方法を検討すべきだ」といった指摘が出ました。
東京電力は、貯水槽の周辺や海側に井戸を新たに30か所掘り、放射性物質の監視をするとともに、漏れた汚染水の地下での広がりや海への影響をさらに分析することにしています。
NHK