2013年4月23日火曜日

里帰り出産数が回復の兆し


里帰り出産数が回復の兆し
福島県内で子どもを産む人の数は、原発事故の前に比べて、依然として低い水準が続いていますが、ふるさとに戻ってきて子どもを産む、いわゆる「里帰り出産」の数が、去年の夏ごろから少しずつ増え始めていることが県産婦人科医会の調査で分かりました。
県産婦人科医会は、県内で分娩を扱う病院や診療所を対象に、原発事故後の出産の状況について調査を行い、22の施設から回答を得ました。
その結果、これらの施設での里帰り出産の数は、原発事故の前はあわせて月に200件程度でしたが、事故後、減少が続き、一時は月に50件程度にまで落ち込んでいました。
しかし、去年の夏ごろからは増加に転じ、去年の秋までに月に90件程度にまで戻り、予約の状況などから、その後も少しずつ増え続ける見込みだということです。
県産婦人科医会では、放射線に対する不安が徐々に減り、親元で安心して出産をしたいと希望する妊婦が増えてきているのではないかとみています。
一方で、これらの施設で扱った出産の総数は、避難先で子どもを産む人が依然として多いことから、原発事故の前の水準を大きく下回る状態が続いているということです。
県産婦人科医会の幡研一会長は、「里帰り出産が戻り始めたことで、少し明るい兆しもみえてきている。しかし、全体の出産数が減っている現状で、早く安心して出産できるような環境を作っていかなければならない」と話しています。
04月23日 09時44分