2013年4月19日金曜日

がん幹細胞 死滅に成功と発表


血液のがん、白血病の再発の原因とされる「がん幹細胞」を、特定の化合物を使って死滅させることに成功したと理化学研究所などのグループが発表しました。
白血病の根本的な治療法の開発につながるとしています。
横浜にある理化学研究所などのグループは、大人に多い血液のがん、急性骨髄性白血病の治療法を開発するため、がんを作り出し、再発の原因とされる「がん幹細胞」に注目しました。
そして、がん幹細胞の増殖に関係するたんぱく質を分析し、このたんぱく質に強く結びついて働きを抑える化合物を特定したということです。
この化合物をヒトのがん幹細胞を移植して白血病になったマウスに毎日、投与したところ、およそ2か月で、血液や、血液が作られる骨髄で、がん幹細胞を死滅させることに成功したとしています。
研究グループは、今回、特定した化合物を使えば、毎年、国内で5000人余りが発症する急性骨髄性白血病のうち、およそ30%を占める再発率の高いタイプの根本的な治療法の開発につながるとしています。
理化学研究所の石川文彦主任研究員は、「実験を繰り返して効果や安全性を確かめ、できるだけ早く薬として患者に届けられるよう研究を加速させたい」と話しています。
NHK