2013年4月17日水曜日

小豆島への移住増 町が初調査/子育て世代多く

香川県内市町で人口減少が問題となる中、小豆島への移住者が増えている。特に小豆島町では移住者数を正確に把握しようと今回、相談窓口を介さずに移住した人を含めた全体数を初めて調査。その結果、2012年度の移住者は120人に達していたことが分かった。同町では「移住者が増えているという実感はあったが、予想以上の数字」と話している。

 町の相談窓口を利用した移住者は、07年度から11年度までの5年間、10~35人で推移していたが、12年度は59人と前年度の35人に比べ1・7倍の大幅アップとなっており、移住者全体数も同様のペースで増加したと想定される。

 年齢別にみると、特に「子育て世代」が増えているのが特徴で、46~60歳の「熟年世代」や61歳以上の「リタイア世代」がそれぞれ約15%に対し、45歳以下の子育て世代とその子どもが約70%を占めている。

 町では増加した理由について▽メディアへの露出で癒やしの島としてのイメージがアップ▽雇用確保のためハローワークとの連携強化▽島ぐらし体験ツアーや11年度から始めた中・長期滞在(1週間~3カ月)のおためし移住の実施▽子育て支援の充実―と分析している。

 島ぐらし体験ツアーを経て、京都から妻、小学2年と2歳の子どもと移住したフリーランスの小倉健司さん(40)=同町蒲生=は「子どもを自然の中で育てたいと移住先を探していたが、実際に訪れ、イメージしていた“田舎”にぴったりと合った。周囲の人ともすっと溶けこめ、同世代の移住者も多い。選択に間違いはなかった」と話す。

 同町では今後、「瀬戸内国際芸術祭」などを契機に、一過性の「観光」から継続的に島を訪れる「関係」人口の増加を図り、子育て世代のほかアーティストやクリエーターなどの移住促進を図りたいとしている。