2013年4月12日金曜日

シンポジウム:歯科・医科の連携確認 阪大で300人が参加 /大阪


毎日新聞 2013年04月12日 地方版
 シンポジウム「21世紀の歯科医学がQOLの向上に果たす役割とは?」が2日間にわたって大阪大学コンベンションセンターで開かれ、国内外の歯科医、専門家ら約300人が参加した。歯周病が全身疾患につながることから歯科・医科の連携の重要性などを確認し合った。
 阪大大学院歯学研究科の林美加子教授が「歯科が未来に輝くために」と題して同科初の女性教授に就任した記念講演を行った。「削る・詰めるの従来治療から定期的な予防ケアに重点を移すべきだ」と呼びかけ、そのような日本の歯科医療が発展途上国にも好影響を及ぼすと説明した。
 このほか、講演やパネルディスカッションなどが行われ、鳥山佳則・社会保険診療報酬支払基金本部歯科専門役は「心臓、高血圧などさまざまな疾患に歯科がかかわる。高齢社会に向けて治療のモデル策定が必要」と提言。東京で約30年開業している米国人のトム・ウォード歯科医は、医療費軽減のためにも「診断と治療は、別の医師が行った方がいい。予防処置の診療報酬引き上げを」と求めた。
 さらに今月就任したヘレン・ウェルトン国際歯科学研究学会長も基調講演を行い、「良好な口腔状態は、全身疾患のリスクを低下させる」と強調した。【嶋谷泰典】