2013年4月17日水曜日

生きたまま電子顕微鏡で観察可能に



4月16日
 4時35分

生きたまま電子顕微鏡で観察可能に
医学や物理学などの研究に使われる電子顕微鏡は、観察するものを真空状態におく必要がありますが、生物を生きたままで観察できる新たな技術が開発され、小さな生物の行動の解明などにつながると期待されています。
電子顕微鏡は、光でなく電子線を当てて観察するため、対象を真空状態におく必要があり、生物を生きたまま、高い解像度で観察することができませんでした。
こうしたなか、浜松医科大学などで作る研究チームは、ショウジョウバエの幼虫などの体の表面にある物質に電子線を当てると、真空状態でも体内の液体が蒸発することなどを防ぐ薄い膜ができることを見つけました。
さらに、こうした物質を持たない昆虫でも、似た化学物質を表面に塗ることで同じように膜を作り出すことが分かり、電子顕微鏡で生きたまま観察することが可能になったということです。
研究に当たった浜松医科大学の針山孝彦教授は「生きたまま観察できれば、極めて高い倍率の虫眼鏡を手に入れたようなもので、生物の分子や細胞がどう働いているか、より詳細に解明することができる」と話しています。