2013年3月31日日曜日

新出生前診断、1日から 遺伝相談重視、17施設で順次


新出生前診断、1日から 遺伝相談重視、17施設で順次


 【下司佳代子】妊婦の血液で胎児のダウン症などの染色体異常がわかる新型の出生前診断が4月1日から昭和大学病院(東京)などで始まる。17の医療機関が計画中で準備が整い次第、スタートさせる。十分な情報や知識がないまま、人工中絶につながらないよう、染色体異常や検査について説明、相談にのる遺伝カウンセリング(遺伝相談)を充実させ、慎重に進めることにしている。 検査の対象は出産時に35歳以上の高齢妊娠、超音波検査などで胎児に染色体異常が疑われる妊婦で、費用は約20万円。昭和大は、妊婦健診をしている医療施設から紹介があった場合に限って受け付ける。個人からの直接の予約は受け付けない。北大病院は2日から始める。
 この検査は採血だけで済み、妊婦の体への負担も小さいため、十分な情報がないまま中絶が広がれば、生命の選別につながりかねないとの指摘もある。
 このため、日本産科婦人科学会(日産婦)は3月、検査の条件を定めた指針を決定。遺伝相談ができることを条件に臨床研究として始めるよう、計画施設に求めた。日産婦など118の学会を束ねる日本医学会にできた認定機関が、こうした条件を満たしている施設か審査している。1日以降、認定施設名は日本医学会のホームページで公表される。
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■新型出生前診断の実施を準備している施設
北海道大、岩手医大、宮城県立こども病院、新潟大、国立成育医療研究センター(東京)、昭和大、東京女子医大、埼玉医大、横浜市立大名古屋市立大、藤田保健衛生大(愛知)、大阪大、兵庫医大、愛媛大、徳島大、国立病院機構九州医療センター(福岡)、長崎大
2013年3月31日10時10分 朝日新聞