2013年5月1日水曜日

福島から避難の母親たちが記録集

東日本大震災と原発事故で福島県から新潟県に避難している母親たちが、震災や避難生活の体験をつづった冊子を作りました。
「ココロのたすき」と名付けられたこの冊子は、福島県から避難した母親たちの思いを多くの人に知ってもらおうと、長岡市のNPOが協力して作り、20代から40代の母親10人が震災や避難生活の体験を寄せました。
このうちいわき市から避難した母親は、被災直後の混乱と恐怖のなかで、生後6か月の娘を抱えて涙をこらえながら走って逃げたという生々しい体験をつづりました。
また、母親たちを対象にしたアンケート調査の結果も掲載され、「福島に戻る予定はあるか」という質問に対して「避難生活のストレスが、放射能への不安よりも強くなったら戻りたい」という答えが寄せられるなど、避難を続ける人たちの複雑な思いがうかがえます。
2人の子どもを連れて避難し、冊子の編集を担当した中村順子さん(40)は「母親たちの気持ちをより多くの人に知ってもらい、福島からの避難者が生活しやすい環境になってほしいと思います」と話していました。
冊子は1000部が作成され、NPOでは新潟県内に避難している人たちや避難者を支援している施設などに配布することにしています。