2013年5月2日木曜日

DV目撃すると子どもの脳萎縮「心の病」との関連も 福井大など共同研究


2013.5.2 10:15
 両親間の暴力や暴言を吐く場面などドメスティックバイオレンス(DV)を日常的に目撃した子どもは、目で見たものを認識する脳の「視覚野」の一部が萎縮する傾向があるという研究成果を、福井大子どものこころの発達研究センターの友田明美教授らがまとめ、米オンライン科学誌に発表した。DVの目撃が心の病の形で影響を与えると心理学などで指摘されている。友田教授は「DVを見た嫌な記憶を思い出すことで脳の神経伝達物質に異変が起き、さまざまな精神症状を引き起こすのではないか」と推測している。
 直接虐待を受けたことはないが夫婦間のDVを目撃してきた18~25歳の男女22人と、目撃経験のない同年代30人の脳を磁気共鳴画像装置(MRI)を使って比較したところ、右脳視覚野にある一部は目撃経験のある男女が平均約6・1%小さく約6・5%薄かった。左脳視覚野の一部も約6%薄かった。影響を受けやすい年齢は11~13歳で、暴力より暴言の方が深刻な影響を与えることも分かった。