2013年5月7日火曜日

スマホで肩凝り増 長時間うつむき、骨格にゆがみ

スマートフォンやゲームなど携帯用電子機器が普及する中、若年層を中心に長時間うつ むくことで首や肩に大きな負担が掛かり、肩凝りや頭痛などを訴える人が出てきている。 頭を下に向けるため首の神経や血管が圧迫されるのが原因で、石川県内では「スマホネッ ク」として専門的な診断を行う接骨院も登場。専門家は「さまざまな不調の原因となりう る危険性を知ってほしい」と警鐘を鳴らしている。
 接骨院などによると、背骨の上部にある頸椎(けいつい)は通常、緩やかな湾曲状態で 約5キロの重さの頭を支えている。うつむいた状態が長時間続くとこの湾曲が失われ、頭 の重量を支えきれなくなり、全身の骨格がゆがんでしまう可能性がある。首は自律神経の 中枢があるため、慢性化すると目まいや目の痛み、集中力の低下、自律神経の乱れにつな がる恐れもあるという。
 金沢市泉が丘1丁目のカイロプラクティック治療院「まつもと上部頸椎」では、4月か らスマホネックに対応した診断と治療を開始した。姿勢を写真撮影したり、首の温度を測 る「サーモグラフィー」で血流や筋肉の緊張度を調べ、姿勢を指導。長時間にわたって携 帯用ゲームを続け、肩凝りや手足の冷えを訴えた男子中学生もいたという。
 松本享士院長は「成長期に首に問題を抱えていると、背骨が曲がったままになってしま う可能性もある」と指摘。患者にはスマートフォンなどを操作する際に▽肩よりも頭が前 に出ないよう姿勢を維持する▽できるだけ両手で持つ▽長時間使い続けない―ことなどを 助言している。
 かほく市の整体院「からだ回復処 和屋(なごみや)」でも肩凝りの小学生や、首の張 りや頭痛を訴える20代の受診者がいるという。西田健一代表は「正しい姿勢を心掛ける ことが大切。下を向く時間を少しでも減らすよう、周囲も注意してあげてほしい」と話し た。