2013年4月10日水曜日

法定の健康診断、受けない医師3割超-多忙などが理由、医師向け調査

医療機関などに勤める医師の3割超は、法律で義務付けられている健康診断を毎回は受けていないことが、医師・医療従事者向けサイトを運営するケアネット (東京都千代田区)の調査で分かった。理由としては、忙しさを挙げる医師が多かったほか、「その気になればいつでも検査できる」「自分の健康状態は自分で 分かっていると思う」といった答えもあった。

 ケアネットは3月15日、インターネット調査で、同社の会員医師1000人から回答を得た。それによると、「健康診断(人間ドックを含む)」を「毎回必 ず受けている」のは68. 7%だった。一方、「受けないことがある」(19.3%)、「毎回受けない」(12.0%)と答えた医師を合わせると31.3%。労働安全衛生法では、労 働者への健康診断を事業者に義務付け、労働者にも健康診断を受けるよう求めている。

 毎回受けていると答えなかった313人に理由を聞いたところ(複数回答)、「忙しいから」(64.9%)が最も多く、以下は「面倒だから」 (32.3%)、「院内に自身しか医師がいない/シフトを替ってもらえないから」(19.2%)、「その気になればいつでも検査できると思うから」 (13.1%)、「自分の健康状態は自分で分かっていると思うから」(6.7%)、「知りたくない、怖いから」(5.1%)、「健康診断・人間ドックには 意味がないと思うから」(3.8%)の順だった。

■「医者の不養生」を2割近くが後悔

 また調査では、「心身の具合を悪くした際、結果として『もっと早く受診すればよかった』と感じた経験はあるか」との問いに対し、17.6%が「ある」と回答。医師の2割近くが、「医者の不養生」を後悔していた。
 医療機関を受診できなかったり、遅れたりした理由を複数回答で尋ねると、「忙しかったから」が69.9%で最多。以下は、「受診するほどの症状ではない と思ったから」(27.8%)、「面倒だったから」(23.3%)、「院内に自身しか医師がいない/シフトを替ってもらえなかったから」(19.9%)、 「自覚症状がなかったから」(7.4%)、「知りたくなかった、怖かったから」(4.0%)などと続いた。【佐藤貴彦】

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