2013年4月4日木曜日

マイワシ豊漁 止まらず 京都府北部の日本海

京都の海でマイワシの豊漁が続いている。旬を迎えた今年3月の概算漁獲量は約691トンと、1カ月間で過去10年の平均年間漁獲量の7倍を水揚げした。一方で定置網漁に支障をきたしたり、値崩れを防ぐ買い支えが必要になるなど、漁業関係者からは「うれしい悲鳴」も上がる。
 マイワシは1980年代後半をピークに漁獲量が激減。京都でも89年の年約3万トンから2010年には29トンに減った。しかし11年には496トン、 12年は184トンと、近年は復調傾向。府海洋センター(宮津市)によると、10年生まれの群れが漁獲量を押し上げており、漁獲増は今後数年続く可能性が ある。
 「イワシ増には期待していたが、こんなに揚がるとは」と定置網漁を行う田井水産(舞鶴市田井)の丸山好社長(65)は喜ぶ。しかし、3月の漁では重みで 網が揚がらないなどマイワシによるトラブルが相次ぎ、網の入れ替えや群れを逃がす対応が必要になるなど、「豊漁はうれしいが、手間を考えると頭が痛い」と いう。
 府漁連も、マイワシでは約20年ぶりの買い支えを実施。水揚げの多い日は7~8割を買って保管し、順次養殖業者などに販売している。25年前の豊漁期に は、価格は今の25~30%程度だったといい、府漁連販売部は「今後も買い支えを行い、漁業者の生活を守りたい」としている。
最終更新:4月3日(水)10時29分
京都新聞