2013年4月5日金曜日

DV被害者80%相談せず 県民調査、「無駄」「我慢」

2013年04月03日10:19
 過去5年間に配偶者から暴力を受けた経験のある県民のうち、誰にも相談しなかった人が80%を占めたことが昨年8月時点の県民意識調査で明らかになった。理由に「自分が我慢すればこのままやっていける」「自分にも悪いところがあった」と挙げる回答も多く、県男女参画青少年課は「DV(ドメスティック・バイオレンス)という言葉は相当浸透しているが、許されない行為だという意識が希薄。被害が深刻化する前に相談してもらえるようさらなる啓発が必要」と分析している。
 過去5年間に何らかの暴力を受けた45人のうち、誰かに相談したのは7人(16%)にとどまり、相談しなかったのが36人(80%)、無回答は2人(4%)。相談しなかった36人に複数回答可で理由を尋ねると、「相談しても無駄」が最多の15人。「相談するほどのことではない」14人、「自分が我慢」12人、「自分も悪い」9人、「恥ずかしくて誰にも言えなかった」6人などが続いた。
 配偶者からのDVの質問には、県内在住の成人男女745人(男313人、女性416人、不明16人)が回答。過去5年間に限定せず、何らかの暴力を受けた経験があるのは15%に当たる110人(男性28人、女性79人、不明3人)。暴力の種類は、身体的暴力76人、精神的暴力52人、性的暴力27人。
 このほか、配偶者を除く交際相手から何らかの暴力を受けた経験があるのは59人で、交際相手がいた人の11%に上った。被害時期を10代、20代、30歳以上に分けた時の延べ人数は、身体的暴力が46人、精神的暴力が45人、性的暴力が32人。いずれの暴力も、10~20代のうちに受けた人数が78~85%を占めた。
 暴力を受けた59人のうち、相談しなかったのは過半数の34人(58%)。相談したのは17人(29%)で、相談先は友人(12人)が最多だった。同課は「若いころに暴力を受け、人生経験の乏しい同世代の友人に相談する傾向があるが、解決につながらない恐れがある。県女性相談センターなどの専門の相談窓口の紹介に力を入れたい」としている。

岐阜新聞