2013年4月6日土曜日

アサリ生育不良で潮干狩り中止 佐賀・諸富町遊漁船協会

佐賀市の「諸富町遊漁船協会」は、有明海沿岸で毎年春に実施している観光潮干狩りについて、今年はアサリの生育不良のため、1993年の開始以来初 めて中止することを決めた。他の同沿岸地域でも育ちが良くないことから、中止を検討している団体があり、県有明水産振興センター(小城市)は、昨夏の九州 北部豪雨の影響の可能性もあるとみて、今月中旬から県内全域の調査を行う。
 同協会の観光潮干狩りでは、客が漁船で沖合に出て、干潮時に船を下りてアサリを取って帰る。協会は3月28日、佐賀空港の沖合約2キロの5か所程 度でアサリの状況を調べた。その結果、殻の長さが1センチほどの稚貝が目立ち、例年なら約2時間でバケツ4、5杯分取れる成貝が、バケツ1杯の半分くらい だったという。
 同29日の組合の総会では、「量が少ない」といった意見が出て、中止を決定した。例年4月下旬から約1か月実施し、県内外から300~400人が訪れていたという。
 また、福岡県柳川市の沖合で観光潮干狩りを行っているNPO法人「有明会」も、例年3月中旬から行っているが、今年は開催を見合わせており、中止を検討している。
 一方、佐賀市の川副町観光事業実行委員会は、毎年観光潮干狩りの開始前に、アサリの成貝を放流しているため、例年通りに実施する。
 アサリの生育不良と九州北部豪雨との関係について、県有明水産振興センターは、「大量の淡水が流れ込み、海水の塩分濃度が低下した上、土砂の堆積で呼吸がしづらくなり、餌の植物プランクトンも得にくくなったことが考えられる」としている。