2013年4月3日水曜日

iPS細胞の初期化、邪魔する遺伝子を突き止め

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製を邪魔する遺伝子を、京都大iPS細胞研究所の升井伸治講師らがマウスの実験で突き止めたと発表した。
 これらの遺伝子の働きを弱めることで、iPS細胞を効率よく作製できる可能性がある。米科学アカデミー紀要に近く掲載する。
  成熟した細胞に四つの遺伝子を導入し、受精卵に近い状態に戻したのがiPS細胞で、一連の過程を初期化という。ただ、iPS細胞の作製効率は通常1%程度 と低い。升井講師らは、初期化の過程で、神経細胞で活発に働く遺伝子が邪魔をしていると考え、158の遺伝子の働きを調べた。その結果、六つの遺伝子が初 期化を阻害していることを確認。これらの遺伝子の働きを強めると、iPS細胞の作製効率は、最大で通常の5分の1に落ちた。
(2013年4月2日 読売新聞)