2013年4月3日水曜日

脳性まひ賠償請求が減少傾向に-医療機能評価機構調べ



医療介護CBニュース 4月2日(火)20時42分配信
 脳性まひにより産科の医療機関に損害賠償が請求される事例が、減少傾向にある―。日本医療機能評価機構が2日、こんな調査結果を明らかにした。同機構の 担当者は、「データを単純に比較できない面もあるが、2009年の産科医療補償制度導入によって賠償請求が増えるという懸念されていた事態は起きていな かった」と話している。

 同機構では、損害保険会社5社に対し、05年から11年までの医師賠償責任保険の事例のうち、脳性まひが損害賠償請求の原因と判断できる事例について集計を依頼。その結果を取りまとめた。

 集計結果によると、05-11年に損害賠償請求があった脳性まひ事例は296例。これを請求年別に見ると、05年が59例、06年が51例、07年が 44例、08年が38例、09年が43例、10年が34例、11年が27例だった。同機構では、「産科医療補償制度が創設された09年前後から減少傾向を 示している」と分析している。
 このうち、児が05年以降に生まれた223例を出生年別に見ると、05年が51例、06、07年が共に41例、08年が21例、09、10年が共に27例、11年が15例だった。

 既に賠償責任の有無が確定しており、児の状態を詳細に分析できる114例については、在胎週数や出生体重、重症度などが産科医療補償制度の補償基準に当てはまり、「補償対象」と考えられる事例と、基準に当てはまらず、「補償対象外」と考えられる事例に分けて集計した。
 それによると、「補償対象」は81例、「補償対象外」は33例。これを出生年別に見ると、「補償対象」は05年が31例、06年が17例、07年が20 例、08年が7例、09、10年が共に3例、11年がゼロ。一方、「補償対象外」は、05年が11例、06年が12例、07年が6例、08年が1例、09 年が2例、10年が1例、11年がゼロだった。同機構では、「補償対象外と考えられる事例に比べて、補償対象と考えられる事例の方に減少傾向が見られる」 としている。

 ただ、児がまだ幼いケースでは、これから損害賠償が請求されることも考えられるため、出生年別の集計について同機構では「現時点では評価できない」とし ている。また、近年は医療関連の訴訟が全体的に減少傾向にあり、データには単純に比較できない面があると説明している。【高崎慎也】