2013年4月6日土曜日

横浜市、「外傷センター」整備へ


救急車の「たらい回し」を避け、迅速な治療を実現するため、横浜市は交通事故などの重症患者を集中的に受け入れる「外傷センター」を整備する方針を固めた。
 2014年4月の開設を目指す。市によると、行政主導での設置は全国初の試みという。
 市救急・災害医療課によると、救急救命センターの機能を持つ8病院のうち、2病院を市が指定する形で整備する。外傷センターでは、外傷の診療や手術に対応可能な医師が24時間体制で院内に常駐するほか、手術に必要な麻酔科医、脳神経外科医、心臓血管外科医らも30分以内に参集できるようにする。指定された2病院に対しては、外科系の医師を集中して配置し、看護師らのスタッフも増員するなどして体制を整える。
 外科系医師の不足は全国的な課題とされており、市内の病院も例外ではないという。今回の試みで、外傷センターにスタッフを集約し、交通事故などで緊急手術を必要とすると判断された患者を集中的に受け入れることで、迅速な治療の実現が期待されている。
 同課によると、横浜市内で救急隊が重症として搬送するのは年間約1900件で、1日あたり約5件という。
(2013年4月5日 読売新聞)