2013年4月7日日曜日

富士フイルム、医療画像をスマホで閲覧できるシステム


富士フイルムは2013年4月4日、CTやMRIなどで撮影した医療用の画像をスマートフォン(スマホ)やタブレット端末で見られるシステム 「SYNAPSE ZERO」を5月10日から販売すると発表した。
「SYNAPSE ZERO」の概要
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「SYNAPSE ZERO」の概要
 医療現場では、iPadなどの携帯情報端末で場所を問わずに、PACS(Picture Archiving and Communications System=医用画像情報システム)で管理されている画像を閲覧するニーズが高まっている。SYNAPSE ZEROは、富士フイルムのPACSシステム「SYNAPSE」と連携し、医師が普段利用している携帯端末上で画像を閲覧できる。
 「病棟で医師が回診する際に患者の治療経過を画像を見て確認する」「患者に画像を見せながら治療方針を説明する」「医師同士が画像を閲覧しながらカンファレンスを行う」「院外から専門医が画像を確認する」などの利用形態を想定する。
 特徴は、シンクライアント方式を採用していること。携帯端末の機種やOSを問わないのに加えて、画像表示に必要なビューワーソフトを携帯端末にインストールする必要がなく、ブラウザからログインし、画像をブラウザで閲覧できる。セキュリティー面では、端末に画像や患者情報が保存されないのに加えて、患者名や患者IDなどを分からなくする個人情報匿名化機能を採用し、端末を紛失した場合の情報漏れを防ぐ。
 院外からのアクセス時には、IPSec-VPNや電子証明書を利用する。このほか、携帯端末上で過去に撮影したX線やCTの診断画像のリストを患者別に一覧で表示する、特定の画像を選択して拡大表示する、などの機能を持つ。
 対象端末は、iPhone 4S、iPhone 5、iPad Retina ディスプレイモデル、iPad miniなどの米アップル製モバイル端末や、Android 4.1以降(ブラウザー:Google Chrome)、Windows 7以降(ブラウザー:Internet Explorer9以降、Google Chrome)、OS X Mountain Lion以降(ブラウザー:Safari 6以降)を搭載する機種。
(デジタルヘルスOnline 本間康裕)