2013年4月2日火曜日

国産エイズワクチン アフリカで試験

日本で開発が進む、エイズの発症を予防するワクチンの安全性や効果を確かめる臨床試験が、1日からアフリカのルワンダで始まりました。
国立感染症研究所と東京大学医科学研究所などのチームが開発を進めているワクチンは、エイズウイルスの遺伝子の一部を体の細胞に送り込むものです。
遺伝子は、体内でエイズウイルスと同じたんぱく質を作るため、異物を認識して攻撃する免疫の細胞が増え、エイズウイルスに感染した場合でも、発症の予防につながると考えられています。
エイズウイルスは主に粘膜から感染することから、研究チームでは粉末にしたワクチンを吸い込んで鼻の粘膜に接種する方法を開発しました。
アメリカ・ニューヨークに本部がある国際NGOが、1日から、アフリカのルワンダで一般の住民を対象に安全性や効果を確かめる臨床試験を始めました。
今後、イギリスやアフリカのほかの地域でも実施する計画です。
エイズウイルスに感染する人は世界で毎年250万人以上に上ると推定され、ワクチンの研究が各地で進められていますが、ウイルスの変化が激しく、これまで実用化されたものはありません。
研究チームのリーダーで国立感染症研究所エイズ研究センターの俣野哲朗センター長は、「動物実験では、鼻からの接種で全身の粘膜に免疫をつけることが出来た。臨床試験が実用化の第一歩になることを期待したい」と話しています。
NHK NEWS WEB